• "合意形成"(/)
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  1. 富山県議会 2022-11-01
    令和4年11月定例会 一般質問


    取得元: 富山県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-14
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1       ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  午前10時00分開議 ◯議長(渡辺守人君)おはようございます。ただいまから本日の会議を開き、直ちに日程に入ります。       ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━     県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑 2 ◯議長(渡辺守人君)日程第1、県政一般に対する質問並びに議案第112号から議案第165号まで、報告第20号、報告第21号及び議員提出議案第12号を議題といたします。  これより各議員による県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。  通告がありますので、順次発言を許します。  酒井立志君。    〔14番酒井立志君登壇〕 3 ◯14番(酒井立志君)皆様、おはようございます。自民党議員会の酒井立志でございます。  11月定例会に当たり、さきの通告に従いまして、一昨日の山本議員の代表質問に関連して、大きく2項目について分割質問いたします。  まず、とやまの未来創生を深化させる取組について質問いたします。  10月13日に第12回とやま未来創造県民会議が開催され、第2期とやま未来創生戦略の数値目標、KPI──いわゆる重要業績評価指標の進捗状況について報告されました。その中で、「達成可能」が前年度から13減った一方で、「要努力」は7つ増加しています。その原因は新型コロナの影響によるものが多く、会議において蔵堀副知事からは、コロナによる社会変化を考慮した指標設定が必要との認識が示されたと新聞報道にありました。  現状をどのように分析し、今後それらの達成に向けどのように取り組むのか、また、新型コロナの影響や現在の進行状況を踏まえて「達成困難」に近いと思われる指標の見直しを行わないのか、併せて南里地方創生局長に伺います。  このとやま未来創生戦略のKPIの一つに中心市街地の歩行者通行量があります。中心市街地の歩行者通行量の進捗状況では、富山市は、前年度の数値を上回り目標値に近い数値となっていますが、高岡市は、前年度と比較して僅かに増加したものの、中心市街地の百貨店閉店の影響もあって目標値を大きく下回っているような状況であります。  そこで、これまでどのような施策を行ってきたのか、また、減少となった原因をどのように分析し、今後KPI達成に向けて高岡市と連携しどのように取り組むのか、中谷商工労働部長にお伺いいたします。  これまでの少子化は初期段階にすぎず、日本の人口減少のスピードはこれから数十年間は年々高まり、本格的な人口減少時代に突入すると言われています。  令和3年の人口動態統計によれば、本県の出生数、また婚姻件数ともに過去最少と、大変ショッキングな状況にあります。先進国の中でもスウェーデンなど出生率の回復に成功している国もあり、国内においても岡山県の奈義町は出生率が2.95と大幅に回復しているところもあります。人口減少による困難な事態が顕著化する前に、予防的社会政策を講ずることが求められます。  県では今年度、成長戦略会議の真の幸せ(ウェルビーイング戦略プロジェクトチームにおいて、少子化対策・子育て支援専門部会を設置し、婚姻件数や出生数が過去最少となった現状に緊急的に対応し、少子化の進行に歯止めをかける少子化対策、子育て支援策に関して議論していると聞いております。
     本県の婚姻件数や出生数の減少の大きな要因として、まず若い女性の転出超過が挙げられます。本県に住む若い女性が少なくなれば、当然のことですが婚姻件数や出生数の増加を見込むことは困難です。そして、結婚を希望する男女への支援にも県として積極的に取り組む必要があると考えます。  そこで、若い女性が本県で働きたい、本県で子育てしたいと思い選んでもらえるように、また、結婚を希望する男女への支援に危機感を持って取り組むべきと考えます。新田知事に御所見を伺います。  また、出生数の増加には、若い女性の県外流出に歯止めをかけること、結婚を希望する男女への支援に加え、出産を希望しながら妊娠に結びつかない夫婦に対し不妊治療等の手厚い支援が重要であり、経済的理由から第2子、第3子を持つことをためらう夫婦への支援、仕事と子育ての両立に向けた支援等、一貫した包括的支援が重要と考えます。  これらの少子化対策、子育て支援策にどのように取り組むのか、また、これらの県や市町村の支援策を支援が必要な人にしっかりと届ける必要があると考えます。  折しも、現在、国会で審議中の物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策を受けた第2次補正予算案において、妊娠時から出産、子育てにおける経済的支援として出産・子育て応援交付金が盛り込まれたところであり、こうした動きにも呼応して取組を進めるべきと考えます。新田知事の御所見を伺います。  知事は、富山県成長戦略の全ての戦略にウエルビーイングを盛り込み、ウエルビーイングの推進に向けた取組を進められています。しかしながら、ウエルビーイングとは何か、県は何を目指しているのかなど、そのことが県民に理解されてきているのかが危惧されます。  県ではこれまで、県民の幸せのため、現行の総合計画「元気とやま創造計画」に基づき各種施策を進めてきたと理解しておりますが、ウエルビーイングを戦略の中心に盛り込んだことで何が変わり何を目指すのか、県民に分かりやすく説明することが重要と考えます。  県民の理解を深めるため、どのように取り組んでいるのか、またその効果はどうか、三牧知事政策局長に伺います。  県民のウエルビーイングの向上のためには、まずは、その各種施策を企画し実行に移す県庁職員が、ウエルビーイングとは何かを理解する必要があると考えます。  そこで、県庁職員の理解度は進んでいるのか、県庁職員はどのように評価しているのか、また県庁職員自身ウエルビーイングであるために具体的にどのような取組を行っているのか、新田知事にお伺いいたします。  現総合計画には、新田知事の公約、富山八策、八十八の具体策や、知事に就任されて以降打ち出しておられる富山県成長戦略などが反映されていません。県の各種施策が何を主軸において展開しているのか、県民にとって大変分かりづらい状況にあると感じています。知事は民間出身として、分かりやすくをモットーにされているだけに、できるだけシンプルに計画を統合したほうがよいのではないかと考えます。  年内にはウエルビーイングに関する本県独自の指標を策定するとのことでありますが、この指標を基に、富山八策、八十八の具体策や富山県成長戦略の内容も盛り込んだ鮮明な新田八朗カラーの新たな総合計画を策定すべきと考えます。心からの応援の意味を込めて新田知事に御所見を伺って、1項目めの質問を終わります。 4 ◯議長(渡辺守人君)新田知事。    〔知事新田八朗君登壇〕 5 ◯知事(新田八朗君)酒井立志議員の御質問にお答えをします。  まず、若い女性の転出超過に関する質問にお答えします。  令和3年の本県の出生数と婚姻件数は、いずれも過去最少となりました。この50年で本県の出生数は60%減ったことになります。この危機的な状況に迅速かつこれまで以上に強力に対策を進めるべく、今年の8月に県成長戦略会議の下に、新たに少子化対策・子育て支援専門部会を設置し、対策を協議しています。  婚姻件数減少の背景には、若年女性の転出超過による男女数の不均衡があり──もともと男子のほうが5%多く生まれるわけですから不均衡があります──議員御指摘のように、若い女性に働く場、子育てする場として選ばれる県となり、若年女性の転入、定着を図る必要があります。  このために、県女性活躍推進戦略に基づきまして、企業内の意識改革や女性の意識、健康問題へのアプローチなど、女性が働きやすく活躍できる環境づくりを進めています。また、女性の県外転出時期は就職のタイミングが圧倒的に多いという調査があります。中高生の時代からSNSなどを活用して、女性が活躍している企業の情報を積極的に発信してまいります。加えて、女性活躍には男性が家事に参加することが重要であり、9月補正予算にて新たに男性の育児休業取得を促進するため、事業主と取得者双方を支援する補助制度も創設したところです。  結婚を希望している方に対しては、とやまマリッジサポートセンター、愛称adoorとしましたが、adoorにおいて、スマホなどで会員情報を閲覧できるよう利便性の向上を図りました。7月から8月にかけて緊急的に入会半額キャンペーンを実施しました。これによって、7、8月のadoorへの登録者数は、前年度に比べまして1.3倍に増えました。そして、今年度、これで成婚に至った数も過去最高となる見込みであります。  また、まだ結婚を強く意識していない方々もおられます。その方々には、もうちょっと手前の段階ということで、若者同士が気軽に交流する機会を提供するコミュニティーでありますTOYAMATCHというものを創設しました。  それぞれの方々の状況に応じて、こうやってセグメントをして支援をしてまいりたいと考えております。この少子化対策・子育て支援専門部会での議論も踏まえまして、この危機的な状況を打破するために県を挙げて取り組んでまいります。  次に、妊娠、出産に係る支援についての御質問にお答えします。  出生数の増加には、子供を産み育てやすい環境づくりが重要であり、妊娠から子育て期までの切れ目ない支援に取り組んでいくことが大切です。  そのために、本県では、特定不妊治療費の助成や不妊に関する相談窓口の設置のほか、子育て応援券の配布、乳幼児医療費の助成、第3子以降の保育料の原則無償化など、子育て家庭の経済的負担の軽減に取り組んでいます。  また、仕事と子育ての両立のために、県内企業に対し専門コンサルタントによる伴走支援を行うほか、男性の育児休業取得の推進、病児・病後児保育の充実など、様々な施策を総合的に推進しているところです。  また、それらの情報が、必要となる子育て家庭などに届くよう、県のポータルサイトやSNS、イベントでの情報発信なども行っています。  さらに、先般、国の総合経済対策において、全ての妊婦や子育て家庭が安心して出産、子育てができるよう、妊娠時から出産、子育てまで一貫して身近で相談に応じ、必要な支援につなぐ伴走型の相談支援を充実し、経済的支援を一体的に行う出産・子育て応援交付金事業が創設されました。  県としてもこうした国の動きに対応するべく、今準備を進めています。今後も市町村としっかりと手を結んで、必要な人に必要な支援が届くようにこども政策を推進してまいります。  次に、職員のウエルビーイングについての御質問にお答えします。  県民のウエルビーイング向上のためには、県職員がその意義を理解し、それに向けた公務にやりがいを感じ、生き生きと取り組むなど、職員自身がウエルビーイングを実感できる状態でなければなりません。民間の企業でも、従業員満足あって顧客満足ということは最近普通に言われるようになりました。  このために、去る6月に私から、自らの仕事とウエルビーイングのつながりを意識し、県民のウエルビーイングのために何ができるかを第一に考え行動してほしいといった内容のメッセージを、職員一人一人に向けて発出しました。また、担当課でも職員向け広報に取り組んでおり、6月以降ほぼ毎週、テーマを変えながら庁内掲示板により啓発広報を行うほか、各部局単位での勉強会や意見交換会も実施してまいりました。  こうした取組は、理解の促進に一定の効果があったと思いますが、受け止めの程度はまだ様々であり、実務への反映を全職員が意識しているかという観点から見れば、まだ不十分なのかもしれません。引き続き周知啓発に努めるほか、今後策定する指標の政策プロセスへの反映方法を検討するなど、さらに取り組んでいきます。  また、職務を通じてウエルビーイングを実感できるよう、庁内複業、ジョブチャレンジ制度の導入や官民連携に向けた研修の充実なども図り、職員のやりがいや挑戦意欲を後押ししているところです。引き続き、職員自身のウエルビーイングを向上させるような取組も進めてまいります。  1回目の最後になりますが、総合計画についての御質問にお答えします。  本年2月に策定した富山県成長戦略は、社会情勢が大きく変動する中で、スピード感を持って重点的に取り組むべき新たな課題などについて、県政運営の中長期的指針、事業立案の基本方針であります総合計画を補完するものとして策定したものです。また、富山八策、八十八の具体策は、県民の皆様と重点的に取り組むと約束した政策の柱であります。  成長戦略と総合計画、八つの重点政策にそごはありません。一つ一つ全てチェックをしました。そごはありません。これらの相乗効果を図りながら進めることが重要だと考えています。  また、ウエルビーイングの指標につきましても、県民調査に基づいて年内をめどに策定することとしていますが、それと併せて、主観的な観点を重視するウエルビーイングの考えを、本県における政策立案、評価に組み入れていく必要があると考えています。  例えば、施策が、KPIの数値の改善にとどまらず、県民の課題解決に実際につながりウエルビーイングが向上することを目指していく必要があります。まずは、こうしたウエルビーイングを踏まえた政策プロセスの確立を目指しているところです。  議員から御提案いただきました総合計画の策定につきましては、引き続き事業の成果や新たな課題への対応などを検証するとともに、ウエルビーイングを踏まえた政策プロセスの整理なども行った上で、必要に応じて検討してまいりたいと思います。  大変に熱いエールをいただいたと思っております。ありがとうございます。  1回目、私からは以上です。 6 ◯議長(渡辺守人君)南里地方創生局長。    〔地方創生局長南里明日香君登壇〕 7 ◯地方創生局長(南里明日香君)私からは、第2期とやま未来創生戦略についてお答えいたします。  第2期とやま未来創生戦略では、各施策の進捗状況を把握するため、7つの数値目標と160のKPIを設定しており、去る10月の会議では、昨年度末時点の進捗状況等を御報告し、御意見を伺ったところでございます。  KPIの進捗状況については、11指標──前年度から6指標の増を既に達成、75指標を達成可能、74指標を要努力と評価いたしましたが、御指摘のとおり、前年度よりも要努力の指標が増えているところでございます。  この主な要因としては、例えば、環境美化活動などの各種事業やイベント、活動を計画どおりにできなかった結果、達成可能から要努力へ下方修正した指標が増えるなど、新型コロナの感染状況の拡大の影響が大きいと考えております。  現行の戦略は、計画期間が令和2年度から令和6年度までの5年間としておりまして、その折り返しを迎えておるところでございますが、当面は、新型コロナ収束後を見据えた取組をはじめ、各種施策を総合的かつ状況の変化に応じて柔軟に展開しまして、各KPIの達成に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  このとやま未来創生戦略につきましては、国の方針、国の戦略の内容を踏まえて策定することとしているところでございます。御指摘いただきました指標の見直しに関しましては、コロナ後の社会情勢の変化や各指標の進捗状況に留意するとともに、今後策定される県のウエルビーイングに関する指標や、年内に閣議決定予定とされております国のデジタル田園都市国家構想総合戦略の内容なども踏まえて、第2期とやま未来創生戦略の改訂とともに必要に応じて検討してまいります。 8 ◯議長(渡辺守人君)中谷商工労働部長。    〔商工労働部長中谷 仁君登壇〕 9 ◯商工労働部長(中谷 仁君)私からは、高岡市中心市街地の通行量減少に関する御質問にお答えをいたします。  高岡市では、これまで、平成29年度から令和3年度までを計画期間といたします第3期中心市街地活性化基本計画に基づきまして、まちなか活性化に向けた各種事業を展開されてきております。  県といたしましても、高岡駅周辺におけるマンションやホテル複合商業施設などによる再開発事業に補助をしてきましたほか、認定中心市街地支援事業消費喚起プロジェクト支援補助金によりまして、御旅屋通りをはじめとした商店街におけるイベント開催など、中心市街地のにぎわい創出に資する取組を支援してきたところでございます。  議員御質問のとおり、高岡市の中心市街地の歩行者通行量は、近年減少傾向が続いております。主な要因といたしましては、先ほどお話がありましたように、令和元年8月に核となっておりました百貨店が閉店したこと、それから新型コロナウイルス感染症の拡大が大きく影響しているものと考えております。  こうした中、高岡市におかれましては、本年4月から5年間を計画期間とする第4期中心市街地活性化基本計画を策定されまして、「交流人口の拡大」、「まちなか居住と生活サービス・事業創出機能の充実」を目標に掲げられ、回遊性向上と活性化を図っていくこととされております。  県といたしましても、今年度は、高岡駅前東地区の複合ビル再編、駅前地下街でのeスポーツイベントや、御旅屋人マーケットの企画運営に係る取組に対し支援を行っております。  引き続き、高岡市の中心市街地歩行者通行量の目標達成を目指しまして、高岡市との密接な情報交換や、ハード、ソフト両面からの支援を行い、中心市街地の活性化に取り組んでまいります。  以上でございます。 10 ◯議長(渡辺守人君)三牧知事政策局長。    〔知事政策局長三牧純一郎君登壇〕 11 ◯知事政策局長(三牧純一郎君)私からは、ウエルビーイングの県民説明についての御質問にお答えさせていただきます。  成長戦略のビジョン「幸せ人口1000万~ウェルビーイング先進地域、富山~」の趣旨を県民の皆さんと共有するとともに、その実現に向けた新たな政策やプロジェクト組成に関し、県内外の方が集い議論を深めるイベント「しあわせる。富山」ビジョンセッション、カンファレンスを、これまでウエルビーイングの周知も含めまして開催してきているところでございます。  また、広報紙や新聞広報、県政番組、SNS、ウェブサイト等、多様な広報媒体を駆使するとともに、新田さんにも講演を積極的に受けていただいて、ウエルビーイングに関する発信をしているところでございます。さらに、各部局の個別説明にもウエルビーイングについては極力盛り込んでいただくようにしておりまして、こうしたことで県民との接点を増やしておるところでございます。  こうした取組の結果、全てではないと思いますけれども、直近の県政世論調査では、昨年5.4%だった言葉も意味も知っている方の割合が11.9%に上がりましたが、認知度の向上にはさらなる努力が必要であると認識しております。  なお、ウエルビーイングを知ったきっかけについても県政世論調査で伺っておりまして、新聞や雑誌、テレビなどの媒体を挙げる方が6割以上、また、県のものも含めたホームページ、SNSを挙げた方も多かったところでございますが、職場、仕事、学校での取組を挙げている方もおられました。  そのため、今後、9月補正予算で計上いたしました特設ウェブサイトによります情報発信に加えて、一般県民、事業者の方向けの講演会など、ウエルビーイングへの関心を高め、その向上につながる具体的な行動を促すような、県民が参加できる形の事業も展開していきたいと考えております。  さらに、年内策定予定の主観的な評価項目から成るウエルビーイング指標につきましても、県民にウエルビーイングを自分事と捉え、そして具体的な行動に移していただけるような項目設定に配慮するなど、今後とも県民に分かりやすい説明、情報発信を心がけてまいります。  以上になります。 12 ◯議長(渡辺守人君)酒井立志君。     〔14番酒井立志君登壇〕 13 ◯14番(酒井立志君)続いて2問目、山本議員の代表質問に関連して、安全・安心な暮らしの実現について質問いたします。  10月23日に開催された全拉致被害者の即時一括帰国を求める国民大集会に、五十嵐議員と参加いたしました。平成14年10月の蓮池さんら5人の帰国から今年で20年となっても、なお残された被害者がいることに、家族らは怒りの声を上げ、日本で再会するまでは決して諦めないと強く訴え、私たちも決意を新たにしたところであります。  この集会において岸田首相は、被害者家族の高齢化を踏まえ、拉致問題は時間的制約のある人権問題と述べ、また、金正恩朝鮮労働党総書記と条件をつけずに直接向き合う決意だと、重ねてしっかりと取り組む方針を示されました。  拉致問題の解決に向け、人権問題として風化させることなく、若い世代にも理解を求めながら世論を動かしていく必要があろうかと考えますが、新田知事に御所見を伺います。  北朝鮮は、2016年そして17年にも、20発の弾道ミサイルを発射しています。ちょうど最近と同じように軍事挑発を繰り広げていました。今年は34回50発のミサイルを発射し、かつてない頻度で行っており、中には日本の上空を越えていくこともあることに大きな危機を感じます。  日本人の多くは、ミサイルの脅威を理解されていない状況が何より不安といった声もあります。県民の命を守るため、北朝鮮ミサイル対応訓練の実施や県民への啓発など十分な備えが必要と考えるがどのように対応するのか、また、有事の際、県は国とどのように連携し対応するのか、利川危機管理局長に伺います。  11月23日に、県防災危機管理センターが開所して初めてとなる原子力防災訓練が実施されましたので、視察させていただきました。  4階のオペレーションルームでは新機能を初めて活用しており、富山県全体を把握することができる上、主要な現場をモニターで確認し状況説明できるようになっておりました。また、各現場と災害対策本部の連携は、これまで以上にスピード感と指示に的確性が向上したものと感じましたし、デジタル化の導入によってリエゾン会議も随分と進化したものだと感じました。  新たなシステムの有効性や今回の訓練を通して、各部署との連携においてハード面、ソフト面の改善点はなかったのか、利川危機管理局長に伺います。  次に、マイナンバーカードを活用した救急業務の迅速化、円滑化に向けた検討についてお伺いいたします。  政府は、本年度末にほぼ全国民にマイナンバーカードが行き渡ることを目指すとの方針の下、マイナンバーカードの利活用拡大に取り組んでいます。健康保険証については、2024年の秋に廃止し、マイナンバーカードへ一体化した形に切り替えると先般発表があったところでありますし、運転免許証との一体化の時期についても、当初予定していた2024年度末から前倒しする方針が示されたところであります。  さて、消防庁では、今年度、救急現場において救急隊が搬送先医療機関の選定を行う際に、傷病者のマイナンバーカードを活用して搬送先医療機関の選定に関する情報を入手することにより、救急搬送の迅速化や円滑化を図るための実証実験を実施しています。  そこで、利川危機管理局長に、救急搬送時におけるマイナンバーカード活用への本県及び各消防本部の対応状況と今後の方針についてお伺いいたします。  次に、救急安心センター事業(#7119)の導入について伺います。  #7119とは、住民が急な病気やけがをしたときに、救急車を呼んだほうがいいのか、もしくは今すぐ病院に行ったほうがいいのかなど、迷った際の相談窓口として専門家から電話でアドバイスを受けることができる仕組みです。  具体的には、1つに、直ちに医療機関を受診すべきか、2時間以内に受診すべきか、24時間以内か、また明日でもよいのかなどであります。2つ目に、救急車を要請するか、自分で医療機関に行くのか、また民間搬送車等を案内するのかなどであります。そして3つ目に、適切な診療科目及び医療機関等の案内を行うといったシステムであります。  この事業の効果としては、1つ目に救急車の適正利用、2つ目に救急医療機関の受診の適正化、そして3つ目に住民への安心・安全の提供の3点が、事業効果の認識でありますが、加えて新たに、4つ目として時代の変化への適切な対応、そして5つ目に新型コロナウイルス感染症対策という観点からも、本事業に寄せられる期待や重要性の高まりを確認しています。  現在、全国で19地域が実施し、人口カバー率は47.5%で事業化されているとのことであります。  救急車の適正利用、救急医療機関の受診の適正化、住民への安心・安全の提供の観点から、導入効果が高いと考える救急安心センター事業(#7119)を本県においても導入すべきと考えますが、利川危機管理局長に御所見をお伺いいたします。これはぜひお願いいたします。  11月25日から12月1日──昨日ですが、昨日まで犯罪被害者週間でありました。事故に巻き込まれた被害者やその家族は、直接的な被害にとどまらず、心身の不調や経済的な問題による二次被害に苦しむことがあります。  県内の昨年の刑法犯認知件数は4,546件、交通人身事故件数は約2,000件であり、事件事故は他人ごとではありません。なので万一、命に関わるような被害に遭ったら、社会全体で支える必要があります。被害者らが必要な支援を迅速に受け、安心して暮らせる地域社会の実現が求められています。  今、支援の充実を図るため、全国で、市町村単位で支援条例を制定する動きが急速に広がっています。なぜ条例制定が広がるのか。それは、国や県と市町村が役割分担することができることや、市町村単位での被害者支援が始まれば、必然的に被害者に寄り添える人材が増え、他の市町村と情報交換、共有をし、さらなる支援充実のためのブラッシュアップ、向上ができます。ひいては、安心できる暮らしやすい地域づくり、県づくりにつながるものと考えます。  私は、6月議会において、県内市町村の制定状況を質問した際、まだ制定済みの市町村はないとの答弁でありましたが、その後、制定に向けた動きはあるのでしょうか。全国的に見ても、全市町村が未制定というのは少数となっている中で、富山県として、県内市町村においても制定を進めるべきとの見解であるならば、今後の具体的な支援を強く要望するものであります。  そこで、横田副知事に御所見をお伺いいたします。これもぜひお願いいたします。  安倍晋三元首相銃撃事件を受けて、要人警護の検証、見直しを盛り込んだ2022年度版警察白書が、警察庁から10月14日に公表されました。例年は7月か8月に公表されるのでありますが、今年は7月8日に銃撃事件が発生したことから、関連する記述や図表を加えるために延期されたようで、公表を遅らせるのは異例とのことであります。  その中で示されたとおり、警察庁では新たな警護要則を制定し、警護における関与を強化するとのことであります。令和5年5月には、富山県でG7教育大臣会合の開催が決定しているところでありますが、安倍元首相銃撃事件を受け、警察庁では新たな警護要則が制定されるなど警察庁の関与が強くなる中、県として、G7富山・金沢教育大臣会合の開催に向けてどのように警備体制を構築していくのか、杉本警察本部長に御所見をお伺いいたします。  以上で私の質問は終わります。御清聴、誠にありがとうございました。 14 ◯議長(渡辺守人君)新田知事。
       〔知事新田八朗君登壇〕 15 ◯知事(新田八朗君)2回目、私から1問お答えをします。   拉致問題についての御質問にお答えします。  北朝鮮による拉致問題につきましては、発生から45年以上の長い年月が経過しておりますが、この間、北朝鮮は日本人の拉致を認めて謝罪はしたものの、いまだ多くの被害者の帰国が実現していません。本県においても、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない行方不明者が20名いらっしゃいます。このため、県にとっても、今でも続いている大変重要な問題と認識をしております。  こうした中で、10月に開催された全拉致被害者の即時一括帰国を求める国民大集会に御参加いただいたこと、お疲れさまでした。ありがとうございました。その中で、岸田総理が出席し、挨拶の中で、全ての拉致被害者の方の一日も早い帰国を実現すべく、全力で果断に取り組んでまいるとの強い姿勢を表明されたというふうに報道されております。  県では、9月に、北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの拉致事件を題材にした舞台劇「めぐみへの誓い-奪還-」を高岡市において開催し、市内の中学生、高校生を含む多くの県民の皆さんに観劇いただき、改めて拉致問題の深刻さに気づいていただけたと考えております。  また、12月10日からの北朝鮮人権侵害問題啓発週間に合わせて、講演会やパネル展の開催も予定しており、若い世代を含めて、広く県民の皆様へ啓発に努めることとしています。  今後も、拉致問題の一刻も早い解決のために、国や関係の方々と連携協力しながら、全拉致被害者の即時一括帰国に向け、政府の取組の後押しをするべく、県民の世論を温め続ける、もちろん風化させない、そのような目的で取組を続けてまいります。  私からは以上です。 16 ◯議長(渡辺守人君)横田副知事。    〔副知事横田美香君登壇〕 17 ◯副知事(横田美香君)私からは、犯罪被害者等支援条例についての御質問にお答えいたします。  犯罪被害者支援につきましては、犯罪被害者やその御家族の方々などが受けられた被害の早期回復及び軽減を図るため、社会全体で支えることが重要との認識の下、県では、平成28年に富山県犯罪被害者等支援条例を策定し、富山県犯罪被害者等支援協議会を設置しまして、県及び市町村を含む関係機関が連携し、県内の各種被害相談窓口を示したパンフレットの作成配布、また、市独自の奨学金支援などの県民への周知を実施しております。  市町村における犯罪被害者等支援条例につきましては、令和3年3月に策定された国の第4次犯罪被害者等基本計画におきまして、警察からの条例策定に向けた検討などへの支援が追加され、現在、全国で策定が進んでいます。  県としましても、犯罪被害者やその家族にとって最も身近な市町村が条例を制定し、犯罪被害者等への支援が充実されることが望ましいと考えています。6月に御質問をいただいた以降も、市町村に対しまして、先進自治体の職員、そして専門家を招いた研修会などを実施しておりまして、条例策定を働きかけているところでございます。  市町村からは、条例によらずとも既に支援施策や体制があるという御意見もありますが、条例策定を検討しているというところも出てまいりました。  自ら声を上げられない被害者を考えますと、県としては、引き続き条例策定の重要性について理解を深めていただくために、県警察と連携しながら意見交換、情報提供を行い、市町村条例の制定の働きかけと支援をしてまいります。  また、声を上げられない被害者に寄り添った対策としまして、犯罪被害を認知した県警察から、市町村窓口を介して市町村の各種支援を受けることができる体制を構築してまいりたいと考えております。  以上です。 18 ◯議長(渡辺守人君)利川危機管理局長。    〔危機管理局長利川 智君登壇〕 19 ◯危機管理局長(利川 智君)私には4本の質問をいただきました。最初に、北朝鮮からの弾道ミサイル事案への対応についての御質問にお答えいたします。  北朝鮮ミサイルへの対応訓練につきましては、去る9月に魚津市において、国と共同によります弾道ミサイルを想定した住民避難訓練を実施いたしました。弾道ミサイルを想定した訓練は、平成29年7月の高岡市での実施以来、約5年ぶりでございます。訓練実施日の2日前には参加者などを対象に勉強会を開催いたしまして、国民への迅速な情報伝達、そして住民が取るべき弾道ミサイル落下時の行動について、丁寧に説明したところであります。  訓練の成果としましては、国、魚津市、あいの風とやま鉄道などと協議いたしまして、情報伝達や避難誘導について実践的な訓練ができました。また、住民避難訓練では、ミサイル発射情報伝達後3分以内に訓練参加者全員が、警察官等の誘導によりまして地下道へ避難することができました。  さらに、訓練には、報道機関と13名の県外参観者を合わせまして55名の訓練参観がございまして、魚津市のみならず広く県内外に啓発できたと思っております。  先月、11月3日の北朝鮮の弾道ミサイル発射によりまして、新潟県などを対象にJアラートが発信されましたが、その際には、県のホームページやツイッターで、弾道ミサイル落下時の行動につきまして県民に改めて周知したところでございます。  万一の弾道ミサイル攻撃によります有事の際には、県は、富山県国民保護計画に基づきまして、国と緊密に連携しつつ、住民の避難、救援及び武力攻撃災害の防除などについて、国からの指示を受けて対応することにしております。  今後とも、弾道ミサイルの落下を想定した住民避難訓練の実施や、県民の危機意識の向上などについての啓発に努めてまいります。  次に、原子力防災訓練についての御質問にお答えいたします。  先月23日に、石川県、氷見市などと共同で原子力防災訓練を実施したところでありまして、氷見市において避難退域時検査などの実動訓練を行いましたほか、防災危機管理センターでは災害対策本部の設置運営訓練を実施いたしました。  防災危機管理センターでの訓練では、4階の災害対策本部で把握しました情報を、映像情報システムなどによりリアルタイムで5階の災害対策本部員会議室や関係機関と情報共有し、迅速適切な意思決定につなげる訓練、そして、氷見市での避難退域時検査や志賀オフサイトセンターなど現場の映像情報を災害対策本部に共有する訓練など、センターの機能をフルに活用した訓練を行ったところであります。  訓練の評価者や参加者からは、4階の災害対策本部と5階本部員会議室の連携、連動が非常に有効であったことや、大型ディスプレーや電子黒板により、関係機関が一目で被害情報が把握できるようになり、情報共有が非常にスムーズになったことなど、新たに整備しました映像情報システムを高く評価いただきました。  一方で、本部員会議の大型ディスプレーにおいて、地図や文字の映像が見えづらいなどの御意見もいただいたことから、今後、映像がより見えやすくなるよう画面の拡大、切替えなどの操作の習熟を図りますとともに、より有効な情報の収集、活用も含めまして、運用面での改善を図ってまいりたいと思っております。  次に、マイナンバーカードを活用した救急業務の実証実験についての御質問にお答えいたします。  消防庁では、救急業務の迅速化、円滑化に向けて、救急現場におけるマイナンバーカードの活用の実証実験を、全国6つの消防本部において実施しております。実証実験では、マイナンバーカードを用いた健康保険証のオンライン資格確認システムを活用することで、傷病者が過去に受診した医療機関名ですとか既往歴、処方された薬剤などの情報を救急救命士が確認し、これらの情報を参考にして搬送先の医療機関を選定されております。  現状では、救急隊員がこれらの情報を口頭で確認しておりますが、病気やけがで苦しむ御本人さん、あるいは気が動転している御家族の方から正確な情報を聞き取ることが難しいケースもございます。こうしたことから、マイナンバーカードを活用しまして、必要な情報を正確かつ速やかに把握することで、より迅速で円滑な救急活動を行うことができると期待されております。  実証実験は今月までの予定で進められておりまして、その後、消防庁が設置しました救急業務のあり方に関する検討会におきまして、事業効果ですとか課題について検証を行いますとともに、本格運用を見据えた検討も行われ、来年3月に報告書がまとめられる予定となっております。  県としましては、この報告書で示される内容を精査した上で、各消防本部と連携いたしまして今後の対応方針を検討してまいりたいと考えております。  私からは最後になりますけれども、救急安心センター事業についての御質問にお答えいたします。  救急安心センター事業(#7119)、これは急な病気やけがをした際に、医師や看護師などによるアドバイスを受けることのできる電話相談窓口を設置するものでございます。相談内容から緊急性が高いと判断される場合は、救急車を要請します。また、緊急性が低いと判断される場合は、応急手当の方法ですとか適切な医療機関の受診を案内することで、不急の救急出動の抑制、それから救急医療機関の受診の適正化などの効果が期待されているところでございます。  本県におきます救急の状況でございますけれども、令和2年の人口1万人当たりの救急出動件数が384.4件で、全国で5番目に少なく、また、搬送者に占める軽症者の割合も38.2%と全国平均の45.6%を下回るなど、救急車はおおむね適正に利用されております。また、病院収容時間も全国平均より8.4分短い32.2分と、5年連続で全国最短となっておりまして、コロナ禍でも通信指令業務は正常に機能しております。  こうした中、本年8月に消防庁が実施しました#7119の導入意向調査では、本県の全ての消防本部が実施予定はないと回答いたしております。  こうしたことから、救急搬送の適正化という観点からは、必ずしも救急安心センター事業の導入が不可欠というような状況にまでは至っていないということでございますけれども、この事業は、救急車の要請に不安を抱えていらっしゃる方にとっての医療相談窓口でありまして、県民への安心・安全の提供という側面、そしてまた、新型コロナへの対応という側面もあると考えております。  県といたしましては、今後の救急出動件数や軽症者の割合の変化が救急活動に与える影響を注視しますとともに、各消防本部、医療機関、関係部局の意見もお聞きしつつ、先行して導入した県における事業効果ですとか課題などについて研究してまいりたいと考えております。  以上でございます。 20 ◯議長(渡辺守人君)杉本警察本部長。    〔警察本部長杉本伸正君登壇〕 21 ◯警察本部長(杉本伸正君)私からは、最後に、G7富山・金沢教育大臣会合に向けた警備体制についての御質問にお答えいたします。  本年7月8日に奈良市内で発生した安倍元首相銃撃事件では、安易な前例踏襲など様々な問題が指摘されました。この事件の発生を受け、県警察としても、警護係を増員し、警護現場において制服警察官を含む警護員をこれまで以上に手厚く配置するとともに、警護対象者や関係者との連携を強化するなど警護の万全を期しているところでございます。また、警護員全体の対処能力を向上するため、警視庁への派遣を含む各種研修や訓練を計画的かつ継続的に実施しております。  また、同事件を受けて、議員御指摘のとおり、国においても警護の検証、見直しが行われ、その柱として警護に関する基本的な事項を定めた警護要則が改正され、警護員の能力向上など警察庁の関与の抜本的な強化がなされたところでございます。今後はこれを踏まえて、県警察としても警察庁との連携をさらに強めて警護を実施していくことになります。  県警察といたしましては、来年5月に開催されるG7富山・金沢教育大臣会合と関連行事の円滑な進行、国内外要人の身辺の安全確保、テロ等の未然防止、事件や事故への対応を図っていくため、文部科学省や県等の関係機関、施設管理者、地域住民の皆様と緊密に連携しながら、官民一体となった対策を推進するとともに、警察庁や石川県警察と緊密かつ組織横断的な連携を確保して、十分な警備体制を構築していきたいと考えております。  以上でございます。 22 ◯議長(渡辺守人君)以上で酒井立志君の質問は終了しました。  針山健史君。    〔7番針山健史君登壇〕 23 ◯7番(針山健史君)おはようございます。自由民主党、針山健史でございます。  10月12日、国の文化審議会において、私の生まれ育った高岡伏木にある浄土真宗本願寺派の勝興寺を国宝とする旨の答申がなされました。(「おめでとうございます」と呼ぶ者あり)ありがとうございます。  地元の皆さんには、所在地の地名を由来とする愛称「ふるこはん」と呼ばれ、長く親しまれております。また、地元の皆さんはじめ高岡市内外の皆さんからも、長きにわたり物心両面での支援を受け、国宝化への強い思いを持って活動を続けてこられた熱意が実現したものでありました。  「おじいちゃん、おばあちゃんに国宝になったニュースを聞かせてやりたかったちゃ」、「お父さん、お母さんが生きている間に勝興寺を見せてあげたかったね」と、そう話される方も少なくありません。私自身にとっても大変うれしいニュースでありますし、歴史的な瞬間に立ち会えることに感謝しつつも、私が子供の頃は、勝興寺は格好の遊び場であり、国宝級の価値を理解できず、ここでは話せないくらいぞんざいな扱いをしたことがしばしばあったことに、ただただ反省するばかりであります。  平成10年度から令和2年度までの23年間にわたり、約70億円が投じられて大修理が行われました。この工事の間に調査研究も進められ、大広間や式台の構造の変遷が明らかになり、文化庁では特に大きな発見として位置づけられたということであります。  改めてとなりますが、勝興寺のどのような点が国宝として評価されたのか、また、この文化的な価値を今後どのように継承していくのか、荻布教育長にお尋ねいたします。  伏木地区では、勝興寺が国宝となったことにより、勝興寺を核としたにぎわいを創出しようと、住民の皆さんが大変盛り上がっているところでございます。私も地元の一員として、しっかりとにぎわいづくりに取り組んでまいりたいと思っております。  しかし、行政、関連事業者、地元企業などとの幅広い取組が必要だと考えております。高岡市においては庁内連絡会議を設置し、部局横断で勝興寺を活用した観光振興策の検討、推進に動いております。  高岡市北部には、伏木地区に加えて、国の重要伝統的建造物群保存地区の吉久地区や、万葉集ゆかりの景勝地である雨晴、国定公園二上山など、多くの名所旧跡を有し、氷見市、射水市など近隣市とも連携した取組が重要になってくると考えております。  本県としても、回遊性のある楽しめる観光に大きな要素が加わったと思いますが、今後どのように取り組んでいくのか南里地方創生局長にお尋ねいたします。  平成9年に国宝指定された瑞龍寺と共に、高岡市内に2つの国宝が誕生しました。富山県内においても国宝はこの2つだけであります。瑞龍寺と連携した観光誘客はとても効果的だと考えております。  来年、令和5年5月に、G7教育大臣会合が富山県と石川県で共同開催され、6月には食育推進全国大会、10月には全国過疎問題シンポジウムなど、大きな行事の開催が予定されており、国内外から大勢の方が県内を訪れることが予想されております。令和6年春には北陸新幹線敦賀開業、秋にはJRが実施する大型観光企画のデスティネーションキャンペーンが実施され、県内への誘客が期待されています。  2つの国宝を活用した、世界や国内を巻き込んだ観光誘客の推進に大きな期待が寄せられておりますが、本県としてどのように取り組んでいくのか、新田知事にお尋ねいたします。  地元の県立伏木高校では、入学後のオリエンテーションで、近隣にある勝興寺や高岡市万葉歴史館などを巡り、地域の歴史、文化に触れる機会を設けております。身近にこのような施設があることは、学校の大きな特色の一つであります。  ほかにも、地元の児童クラブの野球大会では、野球部が審判を買って出てくれたり、夏に開催される地域の祭りでは、浴衣を着て地元の皆さんと一緒に町流しにも参加をしております。今後も地域の行事などで学生の皆さんの活躍の場の創出が検討されており、まさに地域に密着している高校であります。  特色づくりを教職員や学校任せにしているのではないですか。地域でどんな役割を果たし貢献しているのか、理解をしておられるのでしょうか。  富山県総合教育会議、あり方検討委員会などが開催され、公私比率、普職比率、学区や学級編制などの課題が議論されております。当然、子供たちを真ん中に据えて進む話ではありますが、学校と地域との関係の議論、学生生活を支える地域からの声を聞く機会がないように思います。高校教育の在り方への地域との関わり方をどのように考えているのか、荻布教育長にお尋ねいたします。  我が国の宝となった勝興寺は、国内外からの観光誘客へのインパクトは抜群であります。本県の玄関口の一つである伏木富山港には、外国籍を含むクルーズ船の寄港の来年の仮予約が8つ入っていると聞いております。  国土交通省は、11月15日に日本国際クルーズ協議会による感染防止対策ガイドラインが策定、公表されたことを受けて、国際クルーズ船の受入れ再開を発表いたしました。  本県では、国内クルーズ船の受入れに対応する際の感染拡大予防マニュアルが本年5月に改訂されておりますが、外国クルーズ船へは感染対策を含めてどのような受入れ体制を考えているのか、南里地方創生局長にお尋ねし、1つ目の質問を終わります。 24 ◯議長(渡辺守人君)新田知事。    〔知事新田八朗君登壇〕 25 ◯知事(新田八朗君)1回目、私からは1問お答えをします。  針山議員からは、広域的な観光誘客の推進についての御質問をいただきました。  勝興寺が国宝指定の答申を受けたことは、その歴史的、文化的価値が認められたものであり、非常に喜ばしく、高岡市はもちろん本県全体の観光魅力の向上にも大きく寄与すると考えております。  また、私事ですが、私も、母方のルーツ伏木に新たな宝物ができたということを、大変にうれしく思っております。  北陸新幹線の敦賀開業、またG7教育大臣会合、食育推進全国大会、全国過疎問題シンポジウム、これらのイベントの開催は、国宝である勝興寺あるいは瑞龍寺などの観光資源を活用して、広域的な観光誘客を図る絶好の機会と考えています。  現在、北陸3県が一体となり、首都圏の主要なメディア46社を招いてのPR会議、また大手旅行会社と連携した誘客キャンペーン、相互理解を図るための観光案内所スタッフの合同研修などに取り組んでいます。今後、食、自然、伝統文化などの観光素材の磨き上げや、歴史的建造物など、多彩な観光資源の魅力をつないだモデルコースの作成などを進めてまいります。  また、JR各社が連携して進めるデスティネーションキャンペーンも、全国各地からの誘客が期待できる大きなチャンスであることから、JRと連携したPRや旅行商品づくりを進めてまいります。  さらに、近年、コンベンションやレセプションを特別な会場で行う、いわゆるユニークベニューが進められていますが、勝興寺や瑞龍寺など本県が誇る歴史的建造物は、その候補としての可能性もあると考えており、地元とも相談しながら今後進めてまいりたいと思いますが、つい先日も、成長戦略カンファレンスは井波の瑞泉寺をお借りして開催しましたし、また昨年になりますが、工芸アワードは勝興寺で開催をしたところであります。こうやって実績を積み重ねていきたいと考えます。  県内市町村及び関係事業者との連携により、勝興寺、瑞龍寺をはじめとする歴史的観光資源を活用したさらなる魅力づくりに取り組みますとともに、様々な機会を活用した情報発信とその魅力を体験していただく機会をつくり出して、広域的な観光誘客に取り組んでまいります。  1回目、私からは以上です。 26 ◯議長(渡辺守人君)荻布教育長。    〔教育長荻布佳子君登壇〕 27 ◯教育長(荻布佳子君)私からは、まず、勝興寺の文化的価値に関する御質問にお答えいたします。  御紹介のありましたとおり、10月に開催された国の文化審議会の答申によって、勝興寺の「本堂」と「大広間及び式台」の2棟が国宝に指定される運びとなりました。  答申に当たっての審議では、23年間に及んだ大規模な修理事業や調査研究を通して、江戸時代の荘厳な寺院建築群が、土塁や堀を巡らせた中世の城館を想起させる境内に修復されたこと、本堂が全国的にも屈指の規模を誇る壮大な建物と判明したことが高く評価され、また、とりわけ大広間及び式台において、後に本山寺院で成立した上質で格式の高い応接間への変遷、発展過程が明らかとなったことが、特に大きな発見として位置づけられたところです。加えて、長年にわたり保存・継承に取り組んでこられた地元関係者の方々の熱意と努力が評価されたものと受け止めております。  勝興寺では、答申後、一月当たりの見学者数が約6倍となり、先週末に行われたライトアップでは、県内外から4,000人余りの方々が訪れたというふうに伺っております。こうした関心の高まりを次世代への確実な保存・継承につなげていくために、引き続き、積極的な魅力発信や文化的価値の保存を前提に、その魅力や特徴を生かしたイベント開催など継続的な活用を図ることが大切であるというふうに考えております。  県教育委員会では、これまでも高岡市や所有者による保存活用の取組を支援してまいったところでありますが、このたびの国宝指定を契機に、訪れる皆さんが魅力を体感し、一層親しみが深まるような効果的な活用の促進、さらには地域の活性化に寄与する様々な取組が進められるよう、今後とも高岡市や地元関係者の皆様と連携を強化し、必要な支援協力を行ってまいります。  次に、高校教育と地域との関わりに関する御質問にお答えします。  第3期富山県教育振興基本計画では、ふるさとに誇りと愛着を持ち、家庭や地域の絆を大切にしながら、将来の夢や目標持って未来の郷土を支え社会の発展に貢献できる人材の育成を掲げており、各学校では、地域課題解決などの探求的な学びが推進されております。  教育委員会では、とやま新時代創造プロジェクト学習として、地域社会や産業界、大学などと連携した課題解決型学習を推進しております。  地域協働に取り組む学校では、自然、文化、歴史などの地域資源を調査し、地域と共に課題解決に取り組んでおり、地元の観光に役立てようとホームページなどで発信している学校もございます。また、総合的な探求の時間において、自治体と連携し、文化財の認知度向上と地域活性化に取り組んでいる学校もあるところです。  さらに、地元企業などとコラボレーションし新たな価値を生み出そうとする地域協働学習や、地元から外部講師を招聘しての講演会など、地域を学びの場とする活動は、生徒の地域理解を深め地域への愛着の醸成にもつながっております。  議員から御指摘のありましたとおり、高校の特色づくりを進め、時代の変化に対応できる生徒を育成していくためには、学校の所在する地域と連携した教育活動を進めることが重要と考えております。現在、教育委員会で設置している令和の魅力と活力ある県立高校のあり方検討委員会においても、地域との連携や地域産業を支える生徒育成について多くの御意見を伺っており、引き続き、そうした観点も含め議論してまいりたいと考えております。
     今後も市町村や地域と連携して、高校教育のさらなる充実、特色化に取り組み、生徒の可能性を最大限に引き出し、本県の未来を担う生徒の育成に努めてまいります。  私からは以上です。 28 ◯議長(渡辺守人君)南里地方創生局長。    〔地方創生局長南里明日香君登壇〕 29 ◯地方創生局長(南里明日香君)私からは、市内や近隣市との回遊性向上についての質問についてお答えさせていただきます。  私も、指定の答申を受けた後、先般、家族で勝興寺へ行ってまいったところでございますが、国宝のお寺でありながら、小学生などお子さんもたくさん来られていて、針山議員のお小さい頃みたいな雰囲気の元気なお子さんたちも、七不思議のプリントを持って元気に回っておられるのを見て、国宝たる、そういう崇高な雰囲気の中でも温かさがあって、「ふるこはん」として愛される地域の宝なんだなと感じたところでございます。  勝興寺の国宝指定を踏まえまして、今後、効果的に誘客を図っていくためには、勝興寺に加えて高岡市内の国宝瑞龍寺や雨晴海岸をはじめ、県内に様々ある魅力的な観光地に周遊滞在いただけるよう取り組んでいくことが重要でございます。  勝興寺につきましては、高岡市では、歴史遺産の魅力発信、案内看板等の「国宝」標記への変更、着地型観光の商品造成、参道前のにぎわいづくり、駐車場確保の検討など、受入れ環境整備に取り組む一方で、県に対しては、全国への歴史資産の魅力発信や県内観光資源との連携など、広域自治体としての役割を期待したいと伺っておるところでございます。  高岡市内の観光地や近隣市との回遊性向上に向けましては、指定の答申を受けまして、県では、観光公式サイトとやま観光ナビで勝興寺の特集を組みました。また加えまして、近隣の観光地を巡るモデルコースや近隣のお勧めスポットも掲載し、県内を周遊、体験できるコースの情報を発信しておりますが、これもさらに充実してまいりたいと考えております。  また、市町村や民間事業者が取り組む観光素材の磨き上げや、勝興寺のほか高岡市内及び近隣市の観光地の魅力をつなぎ、周遊性を高めるための取組に対しても支援してまいります。  勝興寺の国宝指定は、高岡市だけでなく県全体、ひいては北陸3県の観光の魅力向上に大きく寄与するものでございますので、引き続き関係市町村や事業者と連携し、選ばれ続ける観光地づくりに取り組み、さらなる誘客につなげてまいります。  次に、外国クルーズ船の受入れ体制についての御質問にお答えいたします。  令和2年3月以降、我が国のクルーズ運航は停止されておりましたが、先月、日本国際クルーズ協議会をはじめとした関係業界団体が、関係省庁等との協議を経まして、乗員乗客のワクチン接種要件、健康状態の確認、陽性者の隔離、感染者が一定数に達した場合の対応、着岸する埠頭での感染防止などを定めた感染対策に関するガイドラインの策定や改訂を行いまして、国際クルーズの受入れが再開されることとなりました。  伏木富山港では、来年度以降、外国クルーズ船の仮予約が入ってきておりまして、県ではこれらのガイドラインを踏まえまして、来年2月までに、受入れ条件や緊急時の対応等を定めた伏木富山港におけるクルーズ船受入れの際の感染拡大予防マニュアルを改訂しまして、寄港予定の船会社や港湾関係者等と速やかに協議を進めてまいります。  また、県内各地で安全・安心で質の高い観光を楽しんでいただくため、英語表記のサイン整備等の支援やインバウンド向け情報サイトのリニューアルのほか、伏木富山港に寄港予定のクルーズ船に関して各種手配を行うランドオペレーター等を先月招待いたしまして、港の現地視察や勝興寺等の観光資源を紹介するモニターツアーを実施したところでございます。  現在集計中のツアーのアンケート結果は、クルーズ船誘致に向けて関係者でしっかり共有の上、観光資源の磨き上げや受入れ体制の充実につなげてまいります。  今後とも、外国クルーズ船の受入れに当たり、港湾の所在市、国や県、市の衛生主管部局等関係機関と連携するとともに、県内観光地等へも情報提供等を行いまして、安全・安心な受入れ体制づくりと外国クルーズ船誘致による観光振興に取り組んでまいります。 30 ◯議長(渡辺守人君)針山健史君。    〔7番針山健史君登壇〕 31 ◯7番(針山健史君)北陸電力は、著しい業績悪化に伴う電気料金の見直しを経済産業省へ申請しました。家庭向けなど電気料金の規制料金について平均45.84%の大幅な引上げであり、一般家庭や企業活動への負担が懸念されております。  また、本県の基幹的産業でもある医薬品は、裾野が広くて関連企業、関連産業も多く、代表格でもある日医工の経営再建や広貫堂の業務停止命令は衝撃的なニュースであり、大きな波紋を呼んでおります。これらの要因によって、県内産業、経済にどのような影響があると認識しているのか。  先日の代表質問で、令和5年度は歳入の増収を見込んでいるとの知事答弁もありましたが、県内の電気供給業、医薬品業は、法人事業税などの納税額に大きく貢献しており、抱える従業員と取引先を考えれば、各種税歳入への影響は小さくありません。10月に試算されたという県税収入への見通しに変化はないのか、新田知事にお尋ねいたします。  日本政策投資銀行の調査研究レポートによりますと、北陸新幹線敦賀延伸による福井県の開業後1年目の経済効果は、309億円と見込まれております。調査の手法、対象範囲に違いはあるものの、金沢開業での石川県の経済効果は678億円、富山県は、開業5年目での調査でありますが、304億円の効果がありました。富山、石川の実績までとはいきませんが、福井にも相応の経済効果が期待されております。  最近、2022年11月の日本政策投資銀行のレポートでは、敦賀開業をきっかけに福井県を訪れる機会がどうなるかという調査に対し、「訪れる機会が増える」と回答した人が一番多かったのが、驚くことに、石川県、首都圏、関西圏を抑えて富山県在住者でありました。このレポートの考察では、福井県にとって新しいマーケットの対象に富山県を位置づけるべきだとも報告されています。  このまま何もしないでいれば、本県は通過地点となるだけでなく、本県から人の流出を招くだけになりかねません。敦賀開業は、本県にとっても、首都圏や関西圏からの回遊性向上につながると考えておりますが、県内への波及効果をどのように捉えているのか。これまで稼働率の比較的高い本館に加えて、別館整備により高岡テクノドーム全体としてどのくらいの経済効果を期待しているのか、中谷商工労働部長にお尋ねいたします。  確かに、建設工事費の高騰は懸念されます。知事は、テクノドーム別館の24年度開館は、地元の強い要望に応えると強調されていますが、高岡の人がそれだけ言うがなら、やらんならんがかのということではなく、敦賀延伸に向けて、本県の経済効果、存在感を高めるための目玉施設として早期に取りかかり、充実した設備と魅力あるイベントやコンベンションの誘致を実現して誘客を図る必要な事業であるという認識の下、進めていただきたいと思っております。  11月に行われた第3回富山県地域交通戦略会議において、地域公共交通計画で目指す3つの目標案が掲げられました。県民1人当たりの地域交通利用回数の増加、ガソリン車の台数削減、地域交通の満足度向上であります。  1つ目の目標である1人当たりの利用回数を増加させることは、もちろん大事です。ただ、持続可能な地域交通を実現するには、これまで利用してこなかった方の利用を促し輸送人員数を増加させることが必須であり、これをしっかりと目標に据えるべきと考えますが、田中交通政策局長に所見をお尋ねいたします。  2つ目の目標、カーボンニュートラルの観点から、地域交通の利用を促進することでガソリン車の台数を削減することも示されております。ガソリン車を減らすためなら、エコカーの購入・維持に補助金を出すとか、ほかにいろいろ方法があるはずであります。  現代は車社会であり、車を所有していないと不便な地域もあることは現実であります。積極的なパーク・アンド・ライドの整備、通勤や通学または観光での利用でもいいですが、車と地域交通をセットで利用した移動に大幅な割引運賃を設けるなど共存に向けた工夫ができないものかと考えますが、田中交通政策局長にお尋ねいたします。  JR氷見線、あいの風とやま鉄道には貨物車両が走っております。議論されている旅客車両のパターンダイヤや増便などで貨物運行に影響はないのでしょうか、田中交通政策局長にお尋ねいたします。  地域交通の利便性が向上すれば、速達性や採算面、カーボンニュートラルの点でも、貨物利用の可能性が広がると考えます。  地域交通戦略会議では、地域公共交通計画策定に当たり、ウエルビーイングの向上を目指す方針を打ち出しております。3つ目の目標でもあります地域交通の満足度を把握する手段として、県政世論調査を活用することが検討されております。  令和4年度の県政世論調査におけるウエルビーイングの認知度についての質問に対し、「言葉も意味も知っている」との回答は、昨年より6.5ポイント上昇して11.9%、「言葉は知っているが意味は分からない」は7.5ポイント上昇し17.7%で、合算しても29.6%。先ほど三牧局長からも答弁がありましたが、県民に広く根づいたとは言い難いというふうに思っております。  また、全国型市場公募地方債のIR資料には、日本総合研究所の調査を基に、富山県は幸福度ランキング全国4位だと大きく記載はございますが、ブランド総合研究所の調査では、富山県の幸福度は39位となっています。  率直に、ウエルビーイングの県民への浸透度をどのように感じているのか、そして、富山県の幸福度は他の都道府県と比較してどの位置にいると考えているのか、新田知事にお尋ねいたします。  ウエルビーイングに関する県民意識調査の結果をもって、年内に独自の指標が策定される予定となっておりますが、目に見えるものにすること、形にすることにこだわらず、その感覚、その雰囲気、そのニュアンスをつかんでもらうことを大切にしたいというふうに思います。  幸福度の高い答弁を期待して2つ目の質問を終わります。 32 ◯議長(渡辺守人君)新田知事。    〔知事新田八朗君登壇〕 33 ◯知事(新田八朗君)まず、県内経済、県税収入についての御質問にお答えをします。  北陸電力は、先般、規制料金を含む電気料金全般の来年4月からの値上げを表明されました。規制料金については、一昨日、経済産業省に申請をされました。世界的な燃料価格の高騰などによる厳しい経営状況を踏まえたものと受け止めています。  一方、国会で審議中の国の補正予算案には、電気料金の負担軽減策が盛り込まれておりまして、県においても、これまで消費活性化につながる生活者支援や中小企業の省エネ対策などを講じてきましたが、引き続き、県内の産業や経済に及ぼす影響を注視して、適時適切な対策を国に求めるとともに、県としても必要な支援を検討してまいります。  また、日医工の経営再建や広貫堂の業務停止命令の影響について、県の金融相談窓口には現在のところ相談は寄せられていません。両社は本県医薬品産業を牽引してきた代表的企業であることは、おっしゃるとおりです。そして医薬品産業は、包装容器、パッケージ、印刷などの周辺産業も含めて、本県産業に大きなウエートを占めています。引き続き、保証協会や金融機関と連携をし、関連中小企業の資金繰りに重大な支障が生じないよう目配りしつつ、県内経済への影響について注視をしてまいります。  さて、そこで県税収入ですが、10月に公表した中期的な財政見通しでは、今年度当初予算をベースに、令和5年度の地方税収に係る国の試算を踏まえて試算したところ、その時点では、来年度の県税収入について今年度を上回る見通しとしておりました。しかし、今後の経済情勢の変化による影響について、法人へのアンケートなどを通じて把握に努めまして、新年度予算編成時に改めて積算をすることとしております。  次に、ウエルビーイングについての御質問にお答えいたします。  大変に関心を持っていただきまして、ありがとうございます。  今回の県政世論調査では、昨年よりも認知度が向上したのはおっしゃるとおりですが、まだまだ県民にとってなじみの薄い言葉であり、浸透度を上げるため、引き続き様々な広報媒体を駆使して発信に努めてまいります。  加えて、今後、新たなウェブサイトを開設します。一般県民、事業者向け講演会の開催など県民参加型の事業も展開をして、より認知度が高まるよう工夫して取り組んでまいります。  幸福度の他都道府県との比較についてですが、統計データによる客観的項目を重視した比較なのか、あるいはアンケートによる主観的項目かなど、調査方法や項目により評価は様々に振れます。ですから、一喜一憂するものではないと考えています。ただ、一つの参考材料として、弱い点は手を入れる、あるいは強い面は伸ばす、そのような活用をしていこうと考えています。  私の目指すウエルビーイングは、一人一人の主観的幸福度を重視し、多様性に着目することでありまして、他都道府県との比較は、あくまで全国での本県の相対的な状況を理解し、今後の地域づくりの一助にしていきたいと考えます。その意味では、本県では、客観的項目は比較的高く出る傾向にありますが、主観的項目が低くなる傾向があるため、県民実感としてのウエルビーイングの向上がやはり必要なのかなというふうに考えております。  大切なのは、県民一人一人の幸せにしっかりと目を向けていくことです。このため、現在策定を進めておりますウエルビーイングの指標では、心身の健康や経済的なゆとり、やりがい、生きがい、社会的なつながりなどに対する実感といった主観的な評価項目を組み合わせまして、一人一人の県民に寄り添ったものにしたいと考えておりまして、針山議員お考えの方向と一致をするのではないかと思いますが、今、最終的な段階に入っていますので、参考にさせていただきたいと思います。県民の幸せの実感につながる指標となるように努めてまいります。  どうか議員におかれましても、日頃のスピーチなどでウエルビーイングに言及をしていただいて、県民の皆様の浸透に一役ぜひ買っていただきたいと心からお願いをいたします。  2回目、私からは以上です。 34 ◯議長(渡辺守人君)中谷商工労働部長。    〔商工労働部長中谷 仁君登壇〕 35 ◯商工労働部長(中谷 仁君)私からは、北陸新幹線敦賀開業及び高岡テクノドーム別館整備に関する御質問にお答えをいたします。  令和6年春の北陸新幹線の敦賀開業によりまして、北陸への注目度が大きく高まるというふうに考えております。福井県を含む関西、中京方面からの所要時間短縮効果を生かしますとともに、関東方面から新たに訪れる方々も含めて、その増加を本県に取り込む施策を推進することが大変重要であると考えております。  今回、建設工事費の債務負担行為を提案しております高岡テクノドーム別館の整備につきましては、展示、集客、交流に係る施設、機能の拡充を図ることによりまして、既存の本館と一体となって、県西部地域の活性化に資する拠点として構想したものでございます。  現在、実施設計を進めているところでございますが、これまで本館で行われてきた展示事業のさらなる拡充とともに、今度は、本館にない可動式客席を活用しました学会やセミナー等と、それから従来の本館を利用した展示会とを併催するコンベンション、また、近隣にスポーツコアがありますので、こういったところと連携したイベントに加えまして、先ほど針山議員から勝興寺についてのお話がありましたが、例えば、5Gの活用等も含めまして、県西部を中心とする観光や文化、伝統工芸などに関するイベント、それから、これまで本県で開催されてこなかった全国各地で開催されているイベント、こういったものを開催するということが想定されるところでございます。  北陸新幹線敦賀開業によるビジネスや観光需要の拡大も含めまして、県内外からの集客取り込みを目指しているところでございます。こういったことから、令和6年度中の開館を目指しまして、着実に整備を進めてまいりたいというふうに考えております。  なお、経済効果につきましては、試算におきまして、前提とか波及効果の捉え方で様々な方法があると考えておりますが、今回、高岡テクノドームの別館については、施設の運営にPFI-O方式を採用することとしておりまして、民間事業者のノウハウやアイデアを最大限に活用していただくということで、新たに生み出される毎年の経済効果、こういったものが累積をされて、1年でも早く、今回提案している工事費等を上回ることができるように取り組んでまいります。  以上でございます。 36 ◯議長(渡辺守人君)田中交通政策局長。    〔交通政策局長田中達也君登壇〕 37 ◯交通政策局長(田中達也君)私からは地域交通に関して、まず戦略の目標についての御質問にお答えいたします。  先月17日に開催しました第3回の富山県地域交通戦略会議では、県民1人当たりの地域交通の年間利用回数を50回に増やすことを計画の目標の一つとすることが了承されております。  委員からは、欧州の持続可能なモビリティー計画、いわゆるSUMPの目標値は、具体的かつ明瞭、測定可能なものであり、今回の計画目標は、極めて県民がはっきり分かりやすく、測定可能な形で、野心的かつ現実的な目標であるといった御意見ですとか、地域交通を自分のこととして考えてもらうことが大事であるとの指摘もいただいております。  今回の利用回数の目標値は、公共交通を利用していない方を含め、日頃から目標を意識してもらえるよう1人当たりの回数とし、県民一人一人に目標を理解いただき、県民と共に達成を目指すものと考えております。  今月7日には富山大学で出前講座を実施いたしまして、ステークホルダーである学生の皆さんに参加してもらい、公共交通への関心を高め当事者意識の醸成を図るため、戦略会議の議論を共有し、学生同士でウエルビーイングを向上させる地域交通サービスについて意見交換を行いました。  今後、公共交通利用の裾野を広げていくためにも、引き続き、自ら地域交通について考え、利用を促す取組を戦略会議や部会の委員の御意見も伺いながら進めてまいります。  次に、車との共存についての御質問にお答えいたします。  地域交通戦略会議では計画策定に向けて議論を進めておりますが、第2回の会議におきまして、計画の基本的な方針、考え方として、カーボンニュートラル等の社会からの要請に応え、ウエルビーイングの向上をもたらす最適な地域交通サービスの実現を目指すこととされました。第3回の会議では、この方針、考え方に基づき、地域交通の利用を促進しガソリン車の台数の削減を目指すことを、計画の目標の一つとすることが了承されております。  議員御指摘の目標に関連しまして、この会議で委員からは、まず富山県について、先進的な公共交通ネットワークと自動車普及が進んだ地域であり、公共交通と自動車社会が両立している日本を代表する地域である、そして、公共交通と自動車の適切な役割分担、共存共栄を図っていくことが重要であるとの御意見も伺いました。  カーボンニュートラルの観点から公共交通と自動車の役割分担を考えた場合、出発地から目的地まで全ての区間で自動車を使用するのではなく、一部の区間において地域交通の利用を促し、自動車と公共交通を組み合わせて移動することは、自動車の走行キロ数を減少させることにつながり有効であると考えます。  このため県では、これまでもパーク・アンド・ライドを推進してきております。先月10日に開催いたしました第2回交通ワンチーム部会では、地域交通とまちづくりをテーマに、富山市からパーク・アンド・ライド駐車場などの駅周辺整備の取組を説明いただき、市町村や交通事業者等と意見交換を行っております。  今後も、最適な地域交通サービスの実現に向けた施策を検討してまいります。  最後に、利便性向上と貨物輸送への影響についてお答えいたします。  県では現在、地域公共交通計画の策定に向けて戦略会議を設置しまして、ウエルビーイングの向上をもたらす最適な地域交通サービスの実現を目指す基本的な方針、考え方の下、具体的な施策について、鉄軌道サービス部会などにおいて議論、検討を進めております。  現在、県内では、JR西日本の氷見線、高山本線において、JR貨物が沿線の工場へ、紙製品また化学薬品などの輸送を行っていますほか、あいの風とやま鉄道は、北海道、東北と関西、九州を結ぶ日本海側を縦貫する重要な広域物流ネットワークの一部を構成しておりまして、多くの貨物列車が運行されております。  各鉄道事業者においては、これまでも毎年のダイヤ編成に当たっては、貨物列車の運行と調整を図りながら実施されていると伺っております。  今後、地域交通戦略会議での議論を踏まえた利便性向上のためのダイヤの見直しですとか、運行本数の拡大などの施策検討を行う場合におきましても、貨物列車の運行に留意し対応していくことになるものと考えております。  以上でございます。 38 ◯議長(渡辺守人君)針山健史君。    〔7番針山健史君登壇〕 39 ◯7番(針山健史君)今年度に実施された県職員採用上級試験の申込者及び倍率が過去最低となったことを踏まえ、今年6月定例会の予算特別委員会にて、県職員の人材確保に向けた取組について質問をいたしました。人事委員会事務局長からは、採用試験制度について社会情勢を踏まえて検証し見直すことは必要との答弁があったと記憶しております。  また、10月の人事委員会勧告でも、任命権者と連携しながら、時代に対応した職員採用の在り方について令和4年度内に方針を決定し、申込者数の回復につながる具体的な方策に着実に取り組むと報告されています。  一方で、10月の県内の有効求人倍率は1.61倍と高い水準で推移しており、民間企業も業績回復を追い風に採用意欲が高まっております。来年度以降の職員採用はさらに厳しい状況も予想されておりますが、県職員の採用試験制度等について、現在の検討状況を古埜人事委員会事務局長にお尋ねいたします。  採用試験制度の見直しに加え、県職員が若者に選ばれる魅力ある職業となるために、働きやすく、やりがいのある職場づくりが必要であります。時間外勤務の縮減と併せて、若い職員が富山県の発展繁栄のために積極的に政策提案できる組織としていくことが必要だと考えますが、岡本経営管理部長に所見をお伺いしまして質問を終えさせていただきます。  御清聴ありがとうございました。 40 ◯議長(渡辺守人君)古埜人事委員会事務局長。    〔人事委員会事務局長古埜雅浩君登壇〕 41 ◯人事委員会事務局長(古埜雅浩君)私からは、県職員の採用試験制度の見直しについての御質問にお答えいたします。  今年度の県職員採用試験につきましては、上級試験の最終合格倍率が3.0倍と、御指摘のとおり、記録の残る昭和54年以来過去最低となるなど、技術職種を中心に採用は年々厳しさを増しております。  この背景には、少子化による新卒学生の減少に加えまして、今年は特に、コロナ禍からの復興を見込んだ民間企業の採用活動の早期化があると考えておりますが、この動きは今後も継続し傾向が強まると見ております。  このため、今年度の人事委員会勧告で報告したとおり、時代に対応した職員採用の在り方について検討を進めてきたところであり、このたび、受験の時期の早期化、機会の拡大と、受験しやすさへの配慮をポイントに、見直すことといたしました。  具体的には、来年度から、まず上級試験におきましては、申込みの開始日を前倒ししまして、受付期間をこれまでの約2週間から約1か月間に拡大するほか、技術職種では、筆記試験である第一次試験において教養試験を廃止し、受験者の負担を軽減いたします。また、合格後の採用候補者名簿の登録期間──言い換えれば合格有効期間のことでありますけれども、これを現在の1年から3年に延長いたします。  次に、初級試験につきましては、現在は事務職のみ実施しておりますが、初めての技術職種区分といたしまして、特に採用が厳しい総合土木を新設いたします。  また、就職氷河期世代を対象とした指定試験につきましては、引き続き2年間実施することとし、県外出身者の受験資格のうち、東京23区などに在住などの要件を撤廃いたしまして、対象を全国に拡大いたします。  さらに、警察官採用試験につきましても、実施時期を約2か月早めることとしております。
     これらに加えまして、令和6年度には、総合土木職につきまして、従来の上級試験とは別枠で、早い時期での試験を新たに追加で実施することとしております。  今後、日程、募集区分や募集人数などの詳細につきましては、任命権者と調整の上、1月頃から順次発表する予定ですが、本県では過去に例のない大幅な見直しであることから、全国に広く積極的に周知いたしまして、多くの有為で多様な人材を確保してまいりたいと考えております。  以上でございます。 42 ◯議長(渡辺守人君)岡本経営管理部長。    〔経営管理部長岡本達也君登壇〕 43 ◯経営管理部長(岡本達也君)最後に、私のほうから、県の職場づくりの御質問についてお答えをいたします。  議員御指摘のとおり、職員が働きやすく、やりがいのある職場づくりを進めることは、若者から就職先として選ばれる県庁となるために大変重要であると考えております。  このため、時間外勤務を縮減し、職員のワーク・ライフ・バランスを確保するため、業務量等に見合った適正な人員配置に努めるとともに、オフィスサポートスタッフの活用や、管理職も含めました意識改革などに取り組んできております。  一方、若手職員に政策提案をする機会を与えるため、昨年度から若手職員チャレンジプロジェクトや地域課題解決フィールドワーク研修、シンガポール国立大学と連携しましたDX研修、官民連携プロジェクト組成研修などを実施しており、その学びを生かした提案を知事に直接プレゼンしたり、また、職員有志によるケンチョウマルシェといったイベントを企画開催するなど、若手職員が意欲的に取り組み、一定の成果も出ているところでございます。  さらに、今年度からは、庁内複業やジョブチャレンジ制度の創設、さらに、県政の重要課題に対しまして庁内職員で検討するプロジェクトチームに若手職員を参画させるなど、職員がモチベーションを高く持ちながら、自らキャリアを築いていくことができる仕組みも導入しているところでございます。  今後、こうした取組をさらに充実させるとともに、コロナ禍で大きく変化しております働き方、特に若者(Z世代)の価値観の変化に留意し、柔軟で多様な働き方の推進や、若手職員が仕事を通じて成長実感を高められるよう、先般お示ししました令和5年度予算編成方針や県庁活性化方針に基づきまして、人への投資により力を入れてまいりたいと考えております。  以上でございます。 44 ◯議長(渡辺守人君)以上で針山健史君の質問は終了しました。  暫時休憩いたします。  午前11時51分休憩       ───────────────────  午後1時00分開議 45 ◯副議長(瘧師富士夫君)休憩前に引き続き会議を開きます。  菅沢裕明君。    〔33番菅沢裕明君登壇〕 46 ◯33番(菅沢裕明君)立憲民主党の菅沢です。   初めに、知事の政治姿勢に関連して質問をいたします。  新田知事の首長選などでの選挙応援についてですが、知事は、選挙の応援は選挙で返すなどとされ、県下の市長など首長選挙、議員選挙でも積極的な応援活動を展開しておられます。こうした知事の活動について、選挙の公平を害し、地域の民主主義に反するとの声や、地域の分断を助長しているなどの疑念や批判がありますが、知事はどのように受け止められますか。  知事には大きな権限と影響力があり、県民目線で全体のために仕事をする役割があります。公職としての知事と政治家としての知事の立場を使い分けするのは大変難しいことではありませんか。  知事は、県民の中にあるこうした疑念や批判にしっかり耳を傾けるべきであります。いかがでしょうか。  第2は、知事と旧統一教会の関係について、9月議会に続く質問であります。  旧統一教会をめぐっては、その後、新たな情勢、段階を迎えております。旧統一教会をめぐる悪質な寄附などを規制する被害者救済のための新法への動きや、反社会的活動に関連しての文科省による質問権の行使、さらには、山際大臣が自らの旧統一教会との関係から更迭されました。また、2世信者の深刻な実態や養子縁組などをめぐる人権侵害などが明らかになるなど、情勢は急展開をいたしております。  こうした中で、新田知事が政教分離を理由に関係断絶を明言しないことへの県民の疑問や批判が広がっております。知事の対応が旧統一教会の活動にお墨つきを与えていないか危惧されます。  旧統一教会の重大な問題点は、自らの正体を隠して接近し、信者に取り込み、霊感商法や高額献金、集団結婚などを強いてきたことであります。県民の中にも被害者が存在するわけでありますが、そうした反社会的行動が問われているのであります。政教分離原則の問題ではありません。関係を断つと明言されることを改めて知事に求めるものであります。  このことについて、全国霊感商法対策弁護士連絡会が知事に再申入れを行っております。  2年前の知事選では、旧統一教会の中部地区組織を挙げて応援する方針があったとされております。知事が公表している以外にも、選挙の応援活動、関係があったのではないかとの疑念もあります。選挙応援などの事実関係の全容を、私は、知事は明らかにすべきではないかと考えます。  知事に提案しますが、この機会に、旧統一教会の県内の被害者や2世の方と会って話をされてはいかがでしょうか。岸田首相も被害者と会っておられます。  次の質問は、物価高騰の中で県民生活が直面している問題についてであります。  第1は、北陸電力が11月30日、45.84%の大幅な──これは全電力の中で最高でありますけれども、電力料金の値上げを国に申請いたしました。  この値上げによって、例えば一般標準家庭の場合、1か月当たり3,082円増の1万293円となります。歴史的な物価高騰が続く中で、家計や企業の負担は一段と厳しくなります。あまりにも高い値上げと、県民の間に衝撃が走っております。北電は既に、火力発電の燃料価格の高騰などで、今期の連結決算で1,000億円の経常赤字となる見通しを発表しており、値上げは不可避となっていました。  国は当面の経済対策で、電気料金を2割程度抑制する負担軽減策を導入することにしていますが、それでも、原則として来年1月から使用料1キロワット時当たり7円が値引きされるため、月額1,820円の補助が受けられるにすぎません。これでは、北電の値上げ申請額が国の補助水準を大きく上回ることになります。このような北電の電力料金の値上げは、県民生活や県内の企業活動、商店などの営業に大きな影響を与えることは必至であります。  北電の筆頭株主として、県民生活や県内産業を守る立場から、また、こうした事態を招いた北電の経営責任を含め、どのように知事は受け止め対処していくのか質問をいたします。  第2は、食料品などの値上げラッシュの問題であります。  食料品の値上げは来春4,425品目で予定され、7,000品目近くの価格が上がった今年の10月に続く値上げラッシュが再来すると報道されております。生活必需品のほとんどの品目で物価が急激に上昇する中で、物価対策として家計への直接支援が強く求められます。  立憲民主党は、家計に直接届く全国一律10万円などの支援給付や、学校給食、高校授業料負担の軽減、子育て支援の拡充が必要と、その実現を求め、今も国会論戦に挑んでおります。  しかし、政府の令和4年度第2次補正予算は、規模が膨らんでいますが、明らかに年度内支出が不可能な予算が多く、家計への直接支援より事業者への補助などが中心となっております。  県の11月補正は規模が小さくて、県民生活の困窮支援に程遠いものであります。今後、国の補正予算を踏まえた県の11月補正の追加が今議会に提案されますが──提案は後ほどでしょうがね──県民生活への迅速で実効性のある支援が求められますが、この追加補正はどのような内容になるのか知事に質問いたします。  第3に、物価上昇に見合った賃金などの改善が急務となっております。  10月の賃金上昇率は1%程度で、実質所得はマイナスが続いております。特に、最低賃金は4月の総合物価指数を受けて10月に引き上げられ、富山県の最低賃金は3.5%増の908円となりましたが、当面の目標の1,000円台には程遠く、物価高騰が最低賃金を上回っております。  こうした中で、物価上昇を上回る賃金引き上げ、最低賃金再改定、年金改善などが急務となっております。こうした中で連合は、昨日、5%賃上げ要求を決定いたしました。賃上げについては、国の第2次補正には具体策がなく、県の11月補正でも一言も触れられておりません。  賃上げ、最賃改善には、労働者の7割を占める中小企業への支援が不可欠であります。賃上げに応じた社会保険料の軽減や、直接的な賃上げ助成を行う必要があります。県も独自の施策を積極的に実施すべきであります。商工労働部長に質問をいたします。  県民生活に関連して、コロナ対策で2点質問をいたします。  第1は、新型コロナ第8波に備える対策についてであります。  第7波では、県内で3万人を超える感染者が発生し、3万人近くが自宅療養を強いられました。死者も100名を超え、最悪となりました。医療、発熱外来が逼迫し、介護・保育従事者不足などの社会的混乱が県内でも生じました。県のコロナ対策に、私は、後手後手となり混乱を重ねた印象を持っております。多くの課題を残しております。  現在、新型コロナは再び感染拡大の状況にあり、特に年末年始に向け、第8波として先行きが危ぶまれます。従来型より伝播力が強く、既存の免疫を回避する傾向にあるとされるオミクロン株BQ.1、XBB等の感染者が国内でも確認され、BQ.1については、昨日県内での初感染が発表されました。新型コロナと季節性インフルエンザのツインデミック──同時流行の発生が懸念をされます。  感染拡大防止の措置を徹底し、新型コロナとインフルエンザの同時検査キットの活用や、無料PCR検査の拡充、発熱外来・病床確保体制の拡充を図るということが、まさに県の責務であります。知事に質問をいたします。  次に、ワクチン接種についてでありますが、オミクロン株に対応したワクチンの県接種率は、11月28日時点でありますが県人口の19.9%にとどまり、伸び悩んでおります。県や市町村の接種への呼びかけが浸透していないのではないか。  県民に、ワクチン接種の効果や副反応について正確かつ具体的に発信し、希望者が安全・安心・円滑にワクチン接種を受けられるように周知啓発を徹底し、市町村への支援、県会場を含めた接種体制の確保に全力を挙げるべきであります。厚生部長に質問をいたします。  県民生活の課題の最後に、重症心身障害児者入所施設のベッド不足について取り上げます。  県下で児者ともに相当数の待機者が存在し、適切な支援が受けられない実態があります。市町村の福祉担当者や福祉施設の関係者の証言であります。「県下で20名から30名の待機者が存在し、施設の空きを待ち、また他県の施設を探すなど、苦労が多い」との訴えがあります。一般の福祉施設や病院で生活し、在宅などで適切な支援が受けられないまま、状態が悪化しないか危惧されます。  医療技術の進展や障害の重度化、高齢化等により、支援ニーズが高まっております。県として待機児者の実態を早急に把握し、富山県リハビリテーション病院・こども支援センターのベッド拡充など、適切な支援が受けられる環境づくりを急ぐことを強く求め、厚生部長に質問をいたします。  第3の質問は、令和5年度県予算編成に関連してであります。  その中で、まず、子供関連事業予算の抜本増が必要ということであります。  1つは、県の子ども医療費助成について、令和4年度から、対象年齢が通院について就学前に拡大され、所得制限が通院・入院ともなくなりました。これは一定の前進でありましたが、しかし、こうした県のレベルでは、既に18歳までの助成を実現している県下市町村の期待や、全国的には18歳まで制度を拡充する都府県が増えている中で、県の制度改善の速度が決定的に遅いことが、まさに決定的な問題であります。  県下市町村は、県の助成が拡大すれば、その財源でさらに独自の子育て支援の充実、少子化対策に着手できるわけであります。県は国の制度待ちではなく、全国の先進県に学んで県の役割を積極的に果たすことを求め、知事に質問をいたします。  2つは、政府が来年度新たにこども家庭庁を設置し、子供関連予算の倍増を打ち出していることに関連してであります。  県としてもこうした動きに積極的に対応し、県の子育て・子供政策を大本から変え、予算の増額を私は強く求めるものであります。  その中で、子ども医療費助成の拡充はもとより、学校給食費の無償化、高校教育の学費軽減、産前産後のサポート、就学援助基準の引き上げ、少人数学級の拡充、保育料軽減など、本気で子育て、子供関連予算の拡充を実現すべきであります。あわせて、県の子供施策推進のための職場体制の整備や関係職員の増員についても、知事に質問をいたします。  令和5年度県予算編成に関連して、最後に、物価高騰下での県の大型施設整備について質問をいたします。  物価高騰の中で建設資材が急騰し、また、人件費なども上昇して工事費が相当増大することが、高岡テクノドーム別館の建設費などをめぐることで明らかになってまいりました。  高岡テクノドームの場合、当初の建設費の予定が約26億円のところ、物価高騰による変更後は約46億円となり、20億円、おおよそ50%近くの増額となるとされております。さらに富山県武道館の場合は、当初の建設費約87億円について、現在積算中とされますが130億円近くになるとの見通しがあります。これらのほかにも、28億円で建設予定の新川こども施設、約40億円で建設予定の県立大学新学部棟の建設が続き、他に、警察署再編に基づく新庁舎建設や富山児童相談所新設が予定をされております。これらだけでも、現時点で数百億円にもなる巨額の負担増が見込まれております。  資材高騰や人件費増加は今後も続くと想定されます。建設費用が見込みより1.5倍や2倍となった場合、県の財政事情や県民の理解などから、私は慎重な対応が求められると考えます。改めて、各施設の必要性や整備時期、機能などを再検討する必要があると考えますが、知事に質問をいたします。  最後の質問は、今冬のブリ漁など漁業振興についてであります。  私の歌でありますが、「今朝も浜では競り声響く 大漁大漁がまた続く」と。まだ大漁、大漁とまではいっておりませんけれども、非常に盛り上がった雰囲気があります。  11月26日にひみ寒ブリ宣言が出され、富山湾のブリ漁獲が出足好調であります。漁の今後は、飲食店や宿泊施設などの集客に大きく影響します。大漁となり、誘客効果が氷見だけではなくて県内に広く及ぶことを期待いたします。  そこで、12月本番を迎える今冬のブリの漁獲量の予測はどのようになっているか。また、ブリ漁を含めた沿岸漁業をめぐっては、燃料代の高騰や漁獲量の低迷の問題も抱えております。私は、支援策が強く求められると考えております。  また、新幹線を利用した新鮮な漁獲物の首都圏への輸送など、新基軸が注目をされておりますが、この辺の成果がどのようになっているでしょうか。ブリの世界的な人気の高まりで、近年は輸出額が増大しているとも言われております。その現状や今後の展望についてはどのようになっているか。  以上について農林水産部長に質問し、私の一般質問を終わります。 47 ◯副議長(瘧師富士夫君)新田知事。    〔知事新田八朗君登壇〕 48 ◯知事(新田八朗君)菅沢裕明議員の御質問にお答えします。  まず、私の選挙応援についての御質問にお答えをします。  民主主義に反するという意味がちょっとよく分からないんですが、政治家の大先輩でありベテラン議員である菅沢議員の質問ですので、正確さを期すために法律に基づいてまず御説明しますと、知事としての政治行為について、地方公務員の服務などについて規定しております地方公務員法上は、知事は特別職のため、一般職に適用される政治的行為の禁止は適用されないとされています。  また、知事が特定の候補者を応援することについては、選挙が選挙人の自由意思により公明かつ適正に行われ、民主政治の健全な発達を期することを目的として定められた公職選挙法において、知事を含め公務員は、その地位を利用した選挙運動が禁止されているということです。それ以外の選挙運動は、法に抵触するものではありません。  私としては、志を同じくする仲間や、あるいは大変お世話になった方などが選挙に出られる場合、選挙で応援する場合はありますが、当然のことながら、選挙が終わればノーサイドであり、ワンチームで本県のさらなる発展のために連携して取り組んでいきたいと考えております。議員が御懸念される地域の分断を助長するなどということは考えておりません。  次に、旧統一教会についての御質問にお答えします。  旧統一教会は、これまでも元信者などから訴訟が提起をされ、損害賠償請求が認められた事例が複数あり、コンプライアンス上の問題がある団体であると認識をしております。政治家として、また県知事として、コンプライアンス上の問題がある団体とその関連団体とは関係を持たない、このことは、8月9日の定例記者会見以来、これまでも繰り返し明確に申し上げてきましたし、議会の場でも申し上げました。お墨つきを与えているわけではないということでございます。県内3,900の宗教法人を管轄している立場から、言葉遣いは慎重にさせていただいていることを御理解ください。  旧統一教会関係の宗教2世など、被害者の問題については大変に心を痛めております。少しでも役立てればと思い、県では9月14日から、旧統一教会問題に関する総合電話窓口を開設しております。当初の予定を延長して今月いっぱい、この窓口を開設しております。相談内容に適した相談窓口を御案内して、お役に立とうということでやっております。  また、今、国では、消費者庁の霊感商法等の悪質商法への対策検討会の報告を踏まえられて、先般、宗教法人法に基づく質問権を行使されるとともに、被害者救済に向け、消費者契約法の改正や、この法律での改正で対応できない被害に対応するために、新法の制定について、今国会の成立に向けた動きが加速しているところと理解をしております。本県としては、こうした国の動きを注視してまいりたいと思います。  なお、令和2年の知事選挙の際に、旧統一教会の関連団体である世界平和連合から受けた支援については、これまで説明したとおりでございます。  次に、北陸電力の電気料金値上げの影響についてお答えをします。  北陸電力は、先般、電気料金全般の来年4月からの改定を表明され、一昨日、1980年以来となる規制料金の値上げを経済産業省に申請されました。  自由料金については、これまでの燃料価格の高騰などに合わせて、燃料費調整制度によって料金が随時引き上げられてきていますが、規制料金には調整額に上限があるため──そういう制度設計なので──価格転嫁の上限を超えた燃料コスト分が北陸電力の負担となり、業績悪化の要因となっておりましたが、その上限を実勢に応じて見直すことから上昇幅が大きくなったとのことでございます。  北陸電力からは、このままでは燃料調達や設備保全に係る対応が困難となるおそれがあるとの説明を受けており、電力の持続的な安定供給のために、世界的な燃料価格の高騰を受けての対応であることから、やむを得ないものと受け止めております。  しかし、県内の契約家庭の約半数が規制料金の対象と聞いており、来年1月から国による電気料金負担軽減措置が予定されてはいるものの、県民生活や経済への影響が懸念をされます。北陸電力においては、今後、県民や事業者に対して、電気料金の値上げの理由、経営状況や今後の効率化の取組などについて、丁寧な説明に努めていただきたいと思います。  経営責任についての御意見も求められたと理解をしております。ただ、今回の45.84%の値上げのうち30%については、ロシアのウクライナ侵攻などによる外的な要因によるもの──特に石炭が5倍になっているということでございまして、これによるものだと理解しております。  そして、あとの十五、六%につきましては、現行織り込みの料金には、原子力発電所が稼働したという前提で織り込まれているわけです。御存じのように、原子力規制委員会の審査が続いており、現時点でまだ北陸電力管内の原発は動いておりません。ですから今回、原子力発電所を外して、その3%分だけ見込んでの電源構成で見直した、それが十五、六%分ということで理解をしておりますので、これについては私は、経営責任を問うことではないというふうに考えております。  最終的な値上げ幅は、経済産業省による厳格な審査を経て決定されることですから、県ではその状況を注視してまいります。また、ほかの電力会社でも大幅な値上げを申請していることも踏まえ、全国知事会とも連携をし、国に対して必要な対策を要請してまいります。  次に、物価高騰への対応と国補正予算への対応についての御質問にお答えします。  本県ではこれまでも、原油価格・物価高騰の影響を受ける各種事業者への支援だけでなく、生活者支援についてもきめ細かく取り組んでまいりました。  具体的には、就労支援体制の強化や収入減少世帯向けの生活福祉資金特例貸付などの申請期限の延長、低所得のひとり親家庭に対する5万円の給付、こども食堂の運営費への支援のほか、地域住民向けにプレミアム商品券を発行する商工団体などへの支援なども実施してきました。また、今回提案した11月補正予算案においては、医療機関や児童福祉施設の光熱費や県立学校における給食食材費などの高騰への対応に必要となる予算も計上しております。  さらに、先般閣議決定された国の経済対策では、電気料金や都市ガス料金などの高騰に対する措置が講じられるほか、妊娠時から出産、子育てにおける経済的支援として出産・子育て応援交付金が創設されるなど、物価高騰の克服などに向けた各種の対策が盛り込まれているところです。  本県においても、その効果を速やかに波及させるために、今議会中に国の補正予算に関連した本県としての補正予算を追加で提案させていただき、御審議いただきたく準備を進めているところでございます。  今後も、生活者、事業者への支援にスピード感を持って最優先で取り組むことで、物価高騰などの影響を受ける県民生活を下支えしてまいりたいと考えます。  次に、新型コロナ感染再拡大への備えについての御質問にお答えします。
     本県では、インフルエンザとの同時流行時の患者を最大1日5,600人と想定しておりまして、地域によっては平日でも発熱外来が逼迫するおそれがあると考えております。このため、まずは同時流行を防ぐことが重要であり、未就学児のインフルエンザワクチン接種への助成などを行うとともに、オミクロン株対応の新型コロナワクチンと併せて年内に接種いただくよう呼びかけております。また、最近の感染拡大を受けて、先般、新型コロナ対策のレベル分類を感染警報に引き上げ、感染対策の徹底を県民の皆様にお願いしたところです。  あわせて、医療提供体制を確保するため、医療機関の御協力の下、入院確保病床を492床まで引き上げたほか、発熱外来についても約60の医療機関で診療時間の拡充を行っていただいたところでありますが、年末年始や休日などの初期救急医療機関の体制拡充も併せて依頼をしており、引き続き体制の拡充に努めてまいります。  それでもなお同時流行により発熱患者が急増した場合は、重症化リスクの高い方やお子様、症状の重い方が速やかに医療機関を受診できることが何よりも重要でありますから、重症化リスクが低く軽症の方には、検査キットで自己検査の上、市販薬を活用しての自宅療養をお願いしたいと思い、そのような準備を進めていただくように、かねてより県民の皆さんにお願いをしているところです。  県としましては、引き続き医療機関や市町村とも連携し、感染拡大防止と医療提供体制の充実強化に努めてまいります。  次は、子ども医療費助成の質問にお答えをします。  本県の乳幼児医療費助成制度につきましては、昨年度の「ワンチームとやま」連携推進本部会議での各市町村長の御意見を踏まえまして、本年4月1日から通院の対象年齢を未就学児まで拡大するとともに、所得制限の撤廃や県内全域での現物給付を実施するなど、制度を拡充したところです。  制度拡充に当たっては、平成30年から国民健康保険の減額調整措置が未就学児までを対象に撤廃されたことや、未就学児までが最も医療費がかかる年代であり、未就学児までを対象とする都道府県が最も多いことなどの状況を踏まえまして、対象年齢を未就学児まで拡大したものであることを御理解いただきたいと思います。  少子化対策は、国を挙げて取り組むべき課題です。その中でも、子育て世代の経済的負担軽減の観点から、乳幼児医療費助成は極めて重要であると考えております。このため、これまでも全国知事会を通じて、全国一律の子ども医療費助成制度の創設について政府に要望してきておりますが、全国知事会としてもそうした要望を国に行っているところであり、引き続き働きかけを続けてまいります。  今後とも、県としては、市町村と連携しつつ適切な役割分担の下で、子ども医療費助成を含めた様々な子供・子育て施策を結集して、少子化対策に取り組んでまいります。  次に、子育て・子供政策についての御質問にお答えします。  子育て・子供政策につきましては、これまでも私の公約として県民の皆様にお約束した大事な政策の一つである子育て環境日本一、この実現を目指して様々な施策を打ち出してまいりました。  具体的には、子供を産み育てやすい環境づくりとして、先ほども述べましたが、乳幼児医療費助成の拡充や保険適用外の特定不妊治療費への助成、産後ヘルパー派遣事業の全市町村での実施。持続可能な小児医療提供体制の構築や、児童相談所等の機能強化の検討。教育の充実として、国に2年先行して小学校5年生までの35人学級の実施、非課税世帯などに対する高校生など奨学給付金の支給による教育費負担の軽減などを進めてまいりました。  また、来年4月のこども家庭庁の設置に先駆けて、その受皿として今年度は、こども家庭室に加えまして、部局横断的な企画立案や施策を推進するこども未来プロジェクトチームも設置して鋭意議論を重ねています。  さらに、先般、国の総合経済対策として、全ての妊婦や子育て家庭が安心して出産、子育てができるよう、伴走型相談支援と経済的支援を一体で行う出産・子育て応援交付金が創設されました。県としても、こうした国の動きに対応するべく準備を進めているところでございます。  私としても、来年度は子供関連の取組に重点を置き、政策を総動員して取り組んでいきたいと考えており、今後とも市町村や関係団体、企業等とも連携し、子育て環境日本一の実現に向け、全力で取り組んでまいります。  私からは最後になりますが、大型施設の整備と予算編成全体への影響についての御質問にお答えします。  高岡テクノドーム別館の建設費は、当初の想定から約20億円増の46.3億円を見積もり、今議会に債務負担行為を提案しています。  富山県武道館については、まだ実施設計を行う段階ではないため、資材高騰などを反映した建設費の積算は行っておりませんが、建築資材全般の価格が高騰していることから建設費の高騰は避けられないものと考えており、基本設計の方向性は維持しつつ、コスト縮減につながるような設計内容の見直しを行いたいと考えます。  また、新川こども施設については、今年度中に最適な整備手法を決定することとしておりますが、今後の整備に向けては、物価の状況などを注視するとともに、昨年度の検討会でいただいた御意見、県民の皆様の御意見、また県議会の議論などを踏まえて対応したいと考えております。  こうした施設の建設費に対しては、できる限り交付税措置がある有利な地方債などを当てた上で、複数年度にわたって支出する予定でありまして、資材高騰などに伴う建設費の増加によって来年度予算に直ちに大きな影響が及ぶものではありません。しかしながら、今後も毎年度の投資的経費全体の規模を見定めながら、歳出歳入の両面で収支改善に向けた取組を進め、持続可能な財政運営に努めてまいります。  私から以上です。 49 ◯副議長(瘧師富士夫君)中谷商工労働部長。    〔商工労働部長中谷 仁君登壇〕 50 ◯商工労働部長(中谷 仁君)私からは、賃金引上げ等に関する御質問にお答えをいたします。  物価上昇が続く中、賃金引上げは重要な課題であるというふうに考えておりまして、富山労働局では本年10月、最低賃金について現行方式となった平成14年度以来、最大となる31円の引上げが行われました。  また、エネルギーや原材料価格の高騰が続く中で、継続的な賃上げが行われていくためには、企業におけるDXや人への投資による生産性向上が不可欠でありまして、賃上げが生産性や働く方々のスキルの向上をもたらし、それがさらなる賃上げにつながっていくという構造的な賃上げを実現していくことが望ましいと考えております。  県では、これまで中小企業に対し、ビヨンドコロナ補助金等により生産性向上や省エネの取組を支援してまいりました。また、国の業務改善助成金に上乗せ補助を行う賃上げサポート補助金を6月補正予算で新設し、賃上げを推進してきております。  国の第2次補正予算案では、これまでの賃上げ支援策の拡充とともにリスキリングの促進など、企業の生産性向上に向けた人材育成の取組への支援策がより強化されております。  県といたしましては、これらの施策がより効果的に活用され、県内企業において生産性の向上、働く皆さんのスキルアップを図っていただけるように、また賃上げの機運醸成等に、富山労働局と一体となって取り組んでまいりたいと考えております。  さらに、物価高騰や賃金引上げというのは全国的な課題でありまして、都道府県単位の対応には限界がございますことから、引き続き全国知事会と連携をし、国に対し、一元的でより効果的な対策を要請してまいりたいと考えております。  以上でございます。 51 ◯副議長(瘧師富士夫君)有賀厚生部長。    〔厚生部長有賀玲子君登壇〕 52 ◯厚生部長(有賀玲子君)私からは2点についてお答えいたします。  まず、ワクチンでございます。  オミクロン株対応ワクチンは、市町村や医療機関の御尽力の下、接種が進められており、県内では11月30日時点で約22万3,000人の方が接種を終えられました。人口比で約22%、65歳以上の高齢者では約30%が接種された状況です。全国平均を若干上回るペースで接種は進んでおりますが、若い世代も含めてさらに接種を進める必要があると考えております。  このため、県においては10月8日から2か所の特設会場を設置し、市町村の接種体制を側面支援しております。また、毎回の知事の記者会見や新聞広告、さらには県独自に制作したPR動画をSNS等で発信するなど、ワクチンの有効性や早期接種の必要性について、県民の皆様への情報発信に取り組んできております。  これから年末年始にかけて、帰省、受験など、多くの方にとって大切な時期を迎えます。御自身や大切な方を守るためにも、また医療提供体制の逼迫を防ぐためにも、発症や重症化予防効果が期待できるワクチンをぜひ年内に接種されるよう、引き続き呼びかけてまいります。  また、接種体制の面では、県の特設会場において、12月の接種日の追加や接種枠を拡充して対応することとしており、引き続き市町村と連携して、希望する方への接種が円滑かつ迅速に進むよう取り組んでまいります。  次に、重症心身障害児者についてですが、医療技術の進展を背景に増加傾向にございまして、障害の重度化や高齢化等により、入所や在宅の支援ニーズが高まっているというふうに考えております。  県では、医療・福祉関係者や当事者団体から成る委員会からの提言に基づき、入所待機者や今後重度化していく障害者のための病床として、平成30年に県リハビリテーション病院・こども支援センターに、重症心身障害者を対象とする療養介護病床を新たに30床開設したところでございます。  また、重症心身障害があっても身近な地域で生活できるよう、在宅支援として、施設や事業所での受入れに必要な医療備品や施設改修に対する助成、医療的ケア児を含む重症心身障害児も対応可能な訪問看護ステーションの拡充などに取り組んでおります。  議員御指摘の待機者の実態把握については、来年度、障害福祉サービスの必要量や今後の方策を定める障害福祉計画等の改定を予定しておりまして、このための現状把握の一環として調査することといたします。   以上です。 53 ◯副議長(瘧師富士夫君)堀口農林水産部長。    〔農林水産部長堀口 正君登壇〕 54 ◯農林水産部長(堀口 正君)最後に、今冬のブリ漁と漁業振興についての御質問にお答えします。  今シーズンのブリ漁は先月から本格化し、11月末現在で漁獲量は37トン、前年同期15トンの約2.5倍となっており、過去10年平均の29トンを上回っております。県水産研究所では、全国的なブリ資源量や日本海の水温分布の調査などから、3歳以上の大型魚──通常7キロ以上になりますが、この漁獲量は過去10年平均の130トンをやや上回る143トンと予想しております。  一方で、議員御指摘のとおり、燃油価格は依然として高止まり、沿岸漁業をめぐる環境は厳しい状況にあると認識しております。県では、6月と9月の補正予算により、国のセーフティーネット事業の漁業者積立金に対して支援しているところです。  また、高付加価値化による漁業者の所得確保のため、新たな需要開拓を進めております。具体的には、朝獲れ鮮魚の北陸新幹線を活用した輸送を支援しておりますが、シロエビやホタルイカなどが首都圏のスーパー等で定期販売につながったほか、今月にはブリの輸送も予定をしております。  さらに、これまで冷凍技術の向上や海外でのすしブームを背景に、アメリカを中心に九州の養殖ブリが輸出されておりますが、本県でも、ベトナムや台湾向けにブリの幼魚であるフクラギやサバなどが輸出されており、今後ジェトロと連携いたしまして、さらなる市場拡大を支援することとしております。  県といたしましては、今冬のブリの豊漁を期待しつつ、リニューアルした氷見栽培漁業センター等による栽培漁業や適切な資源管理を推進するとともに、富山のさかなの魅力発信と販路拡大に努め、漁業経営の安定化にしっかり取り組んでまいります。  以上でございます。 55 ◯副議長(瘧師富士夫君)菅沢裕明君。    〔33番菅沢裕明君登壇〕 56 ◯33番(菅沢裕明君)知事に御答弁をいただいたんですが、政治姿勢の関連で、誰も選挙応援を受けて、知事の応援か政治家の応援かなんていう区分けをして受け止めているわけではないと思います。それは、まさに富山県知事、新田八朗氏の応援ということであります。そういう県民の受け止め方の中で、選挙の恩は選挙で返すなんていうことをおっしゃったのか、おっしゃっていないのか、これは新聞報道か何かで私が読んだのでね。そういう構えですから、まさに選挙が激しい戦いなら、なおさら、一方に力を入れるということは、地域の有権者の中に分断を深めるということになりますよね、知事のそういう働きかけがね。  そういう意味では、知事、選挙というのはまさに民主主義の根幹であります。その公平な地位というのは、有権者に保障されなければなりません。一県の知事として、その先頭に立っていただきたいという観点で私は御指摘をしているわけで、十分検討をお願いしたいと思います。  2つ目の再質問は統一教会の関係ですが、従来の見解をお変えにならんということは、それはそれで今日は受け止めておきましょう。しかし、今も国会で旧統一教会をめぐる悪質な寄附を規制する被害者救済法の論議が進んでおります。反社会的活動に関連しての文科省による質問権の行使も実施をされておるという新たな段階の中で、知事には今までのようなかたくなな姿勢でいいのかということがあります。  そういうことでの指摘をさせていただいたつもりですが、あえてお願いをした、知事に提案をした。この機会に旧統一教会の県内の被害者や2世の方々とお会いするという、お話合いをするというお気持ちはないのか。これは再質問で、もう一回お尋ねをいたします。岸田首相も被害者と会っておられますよね。ぜひ御検討願いたいと思います。  それから、もう一つは、こども家庭庁が来春から出発をいたします。そうした中で、子供施策の予算の倍増ということが内閣によって宣言をされておるわけでありますが、これをしっかり受け止めていただくということになれば、単なるこども未来プロジェクトのような受け止め方ではなくて、私は部局としての位置づけの中で、現在も関連課が幾つかありますけれども、もっと統合されたしっかりとした組織立てと、人員の配置、専門家の配置等が、児童福祉司等を増員されておりますから、しっかり配置をする中で、新しいそういう情勢に対応していくということが喫緊の課題ではないかというふうに思っております。  そう意味では、知事からは明確なそういう決意とか方向が示されませんでした。残念に思っておりますので、知事の目玉政策なら、なおさら来年の春に向けて準備を急いでいただきたいというふうに思います。  それから、厚生部長が答弁した重症心身障害児者の入所施設のベッド不足の問題ですけれども、これは極めて深刻な実態が地域で起きております。私も、市町村の関係者さらには福祉関連業務の関係者ともずっと話合いをしながら、実態について学んでまいりましたが、明確に二、三十名の児者の待機者の存在について明言をしておられます。これは待ったなしの対応が求められます。ニーズがあるわけであります。  したがって、そういう実態について、来年度の調査に回すということではなくて、直ちに実態調査を始める。関係者への聴取、市町村や福祉関係者から聞けば分かることであります。深刻な実態についての認識、厚生部長のそういう認識、そこに挑む覚悟が問われていると。来年の調査に回すなんてことは、県の厚生部長として議会で言っちゃならん。  私が指摘したことについて、実態は障害福祉課長、厚生部の幹部にも伝えてあります。家族と一緒に県庁もお訪ねしているわけでありまして、実態を十分御存じのはずであります。明確な答弁を求めます。  以上です。 57 ◯副議長(瘧師富士夫君)新田知事。    〔知事新田八朗君登壇〕 58 ◯知事(新田八朗君)再質問をいただきました。  まず、私の政治姿勢ということでございますが、民主主義を行っていく上での手段である公職選挙において知事が選挙応援をするということは、法律には反しないということまでは御理解いただいたと思っております。  その上で、選挙の恩は選挙で返すというのは、私、実際に言った言葉でございます。私は、それはそれで何ら問題ないことだと思っています。じゃ、逆に、選挙の恩を仕事で返すということを私の立場でやったら、これは大問題じゃないんでしょうか。あるいは、選挙の恩は別のもので返すというのは、これは大問題になると思います。私は、選挙で受けた御恩は選挙で返すという、そのようなことでやっていることであり、御理解をいただきたい。  もう一つ、私はまだ1回しか出ておりません。菅沢先生のような大ベテランではありませんけども、公職選挙を1回しかやってない立場でございますが、本当に、公職選挙に立候補するということは大変だということを身をもって感じております。ここにおられる方皆さん、そういう御経験を複数回お持ちだというふうに思います。いろんなものを犠牲にします。私もいろんなものを失いました。そんな中で、その経験から、公職選挙に立候補される方を私は皆さんリスペクトしております。どんな方でもリスペクトをしております。  ですから、そのときの立場で応援をする人、しない人が出るのはこれはこれで、私はごく自然な仕方のないことだというふうに思っております。ですから、結果が出たら、本当に私、文字どおり、ラグビーをやっていたこともありますが、ノーサイドだというふうに思っており、自分のときもそうしてきたつもりでございます。  ですから、私の応援が地域を分断しているということ、これは決してないと信じておりますが、仮にも、もしそんな兆しがあるのでしたら、それもちろん一生懸命修復するようにしたいと思いますが、基本的に私はそういうスタンスですから、地域の分断につながることはないというふうに思っております。どうかこれも御理解いただきたいと思います。  旧統一教会の件の宗教2世の件、これは私は、あんまりテレビを見ないんですが、NHKのクローズアップ現代という番組、もう2か月ほど前でしょうか、見て大変に心を痛めました。それは本当に事実であります。共感をしております。  ですから、早速、数日後に県としての相談窓口をつくりました。今まで続いております。現在のところ34件の御相談をいただいております。それに適切に対応しておりますし、またそんな動きから、富山県弁護士会さんも立ち上がっていただき、弁護士会としての相談にも対応していただいているところでございます。  そして今、国の方でも、もう被害者救済というフェーズに移って、新法の制定まで考えておられるということになっています。この動きをしっかりと見届けていきたいというふうに思います。  こども家庭庁がいよいよ発足するということ。本県では、本年度から既にこども家庭室を立ち上げ、先ほども申し上げましたこども未来プロジェクトチームを設置して、やっているところでございます。  ここで今、本当に議論を重ねておりまして、令和5年度当初予算に向けて、様々な施策を打ち込んでいこうということにしております。立憲民主党さんからも御要望などいただければ、それも大いに重く受け止めてまいりたいと思います。  繰り返しますが、来年度は子供関連の取組に重点を置きたいというふうに考えております。今の御質問もしっかりと受け止めさせていただきます。  私からは以上です。ありがとうございました。 59 ◯副議長(瘧師富士夫君)有賀厚生部長。    〔厚生部長有賀玲子君登壇〕 60 ◯厚生部長(有賀玲子君)重症心身障害児者、特に待機者の実態把握についてでございますけれども、大きな調査としては来年度ということは、先ほど申し上げたとおりでございますけれども、当然これまでも、そしてこの直近においても、直接いろんな方から、特に当事者の方からのお話を聞くといったような形での状況の把握ということについては、既に行っておりますし、当然今年度も、この後も行うことはやっていきたいというふうに思っております。  引き続き、市町村や関係機関や関係者の団体などと連携しながら、それぞれが把握する状況も共有しつつ、重症心身障害児者を含む全ての障害児者が適切な支援を受けられることができるような環境整備に努めてまいります。 61 ◯副議長(瘧師富士夫君)以上で菅沢裕明君の質問は終了しました。  種部恭子君。    〔9番種部恭子君登壇〕 62 ◯9番(種部恭子君)自民党議員会の種部です。  今朝の酒井議員の質問への知事のお話の中でも、50年前に比べて出生数が60%減っているという大変衝撃的なお話がございました。ただ、私の推察ではもっと早く今後は減っていくだろうというふうに思っています。  本日は、少子化と人口減少にフォーカスして質問をさせていただきたいと思います。  まずは、ダイバーシティーについて6問お伺いいたします。  一昨日、同性婚を争った損害賠償請求で違憲の判断が下されましたが、判決の中では、パートナーシップ制度という形で多様な家族を包含することの合理性についても言及をされました。  富山県が検討しているパートナーシップ宣誓制度は、性別を問わず利用可能な制度でありまして、子供も含めて家族として認めるという、言わば最も幅の広い、いわゆるファミリーシップ制度の形であることから、アウティングによる人権侵害も起きにくい優れた制度だというふうに考えております。  一方で、多様性への理解が進んだとはまだ言えない状況にあると思います。我が会派の山本徹議員の代表質問でも述べられたように、強制や義務を発生させるものではなく、反対する理由は何もないわけなのですが、特に性的マイノリティーについては、十分な理解が進まなければ、本制度を利用することでアウティングや誹謗中傷を受けるといった人権侵害が起きる可能性は十分にあると思います。風土としてインストールされるまでは、啓発の継続は必要ではないかと思います。  そこで、制度利用時の人権侵害がもし起こった場合に、個人が特定されない形で相談や通報ができる窓口を設置し、相談された課題への対応のベストプラクティスを公開して、学校の人権教育などに活用するなど、学習を目的とした啓発の実施を検討してはいかがでしょうか。廣島生活環境文化部長に御所見を伺います。  パートナーシップ宣誓制度を北陸で初めて実施した金沢市には、制度を理由に転入を考える方がいると聞いています。  富山県も多様性を受容する県として認知度が高まれば、移住を呼び込めることが期待できると思います。本県と同様の制度を導入している他の自治体との連携協定を検討し、引き継がれる制度の幅が富山県の場合は広いわけですから、広く受け入れることができるわけです。  そのような多様性を受け入れているという風土の醸成に取り組むことを、移住促進の魅力として発信してはいかがでしょうか。廣島生活環境文化部長にお伺いいたします。  次に、性別違和感を持ち、多様性の受容を必要とする子供への対応について、2問伺います。  この3年間、学校現場では、校則や制服の見直しに懸命に取り組んでいただきました。県立高校では、全校で性別にかかわりなくスラックスを着用できるようになり、26校で子供たちによるルールメイキングが行われたと聞いております。性同一性障害の子供の進路選択の幅が格段に広がったということで、実際に高校に進学することに希望を持った子供たちがいます。本当にこの取組には感謝を申し上げたいと思います。
     しかし、スラックスを着用することはできても、上着はセーラー服や学ランという場合がまだまだ多く、アウティングなく多様な生き方を受け入れることができる状況とはまだ言えないと思います。県立高校の制服の上着について、アウティングが起きにくいブレザーなどへの変更、または制服着用の選択制、あるいは制服をなくすというようなことも含めて検討していくべきと考えますが、どのように性同一性障害の子供の受容を進めていくのか、荻布教育長のお考えを伺いたいと思います。  性別違和を持つ子供は、社会生活での摩擦によって自殺するリスクが高まります。最もリスクが高いのは中学校のときです。岡山大学の報告では、性同一性障害の中学生の37%に自殺念慮、33%に自殺未遂または深刻な自傷行為を認めています。  一方で、学校においては、周囲の生徒や保護者の理解を得て自認する性の制服を着ることとアウティングというのが表裏一体であるということから、中学校の現場では個別ケースの対応に大変苦慮していると聞いています。  例えば、セーラー服を免除して体操服で通学を認めたとしても、体操服の色が男女で違っていたり、あるいは体操服で合唱コンクールのステージのど真ん中に立っているというのは非常に目立つわけでありまして、そういう状況の中で子供が苦悩している環境というのは、いまだに変わらず残されています。  中学生への対応は命に関わる問題であり、中学生こそ、制服の自由選択や校則の見直しなど、当事者とその家族の苦悩を軽減して、紛れて生きやすくする取組というのが必要だと思いますが、現状の認識と併せて荻布教育長に御所見を伺います。  次に、女性の活躍について2問伺います。  富山県学生寮及び石川富山明倫学館は、企業の皆様の多大な御尽力で、東京での高等教育を目指す男子に機会を提供してきました。企業の皆様には大変、これまでの御尽力に敬意を表したいと思います。  しかし、学生寮は男子のみを入寮対象としています。女性のための学生寮はありません。県の一存で決められるものではないということは十分に承知していますが、もはや高等教育は男性だけのものではありません。  昨年度、医学部医学科の入試合格率は、昭和23年の統計開始以来、初めて女性が男性を抜きました。東京での高等教育を目指す女子学生が経済的理由によって進学を諦めることがないよう、女子の学生寮の設置を検討するように働きかけてはどうかと考えます。  東京で勉学に励んでいらっしゃって、そして女性活躍の応援団でもある新田知事に御所見を伺います。  この項目の最後は、女性活躍についてお伺いいたします。  女性活躍は、富山の成長戦略の切り札だと思います。女性は肩書きよりも、働きやすさとかやりがいとか、正当で公平な評価がなされる──100%働いたら100%と評価してほしいと、そういう評価される状況かということを基準に仕事を選んでいると思います。管理職の女性比率を増やすということもこれまでお取組をいただいてきましたが、そういうものも大事でありますけれども、県内で働く女性たちの満足度とパフォーマンスを上げなければ、県外流出は止まらないと思います。  一方、女性たちには、女性特有の健康問題でのパフォーマンスの低下があります。月経による労働損失は年間1兆円、月経と関連する子宮内膜症、子宮頚がんなどによる労働損失は6.37兆円と試算されています。この問題を放置して子宮内膜症を発症しますと、将来産みたいと思っていても格段に妊孕性が下がりますので、産もうと思ったときには産めないと、つまり、希望出生率を達成することができなくなります。キャリアと出産とを引換えにするということは決してあってはいけないと思います。  労働生産性を向上させ希望出生数を達成するためには、月経コントロールやフェムテックの利用など、妊孕性やパフォーマンスを保持するための知識がまずは必要です。しかし、学校教育の中では、この教育は全くやっていません。  そこで、企業や団体の皆様に少子化対策や健康経営の一環として御協力をいただく形で、採用後の研修などで女性の健康に関する教育の場を設けてもらう必要があるのではないかと思います。  働く女性の健康向上に、より希望出生数を達成するためにどのように取り組むのか、横田副知事に御所見をお伺いして1つ目の質問を終わります。 63 ◯副議長(瘧師富士夫君)新田知事。    〔知事新田八朗君登壇〕 64 ◯知事(新田八朗君)種部恭子議員の御質問にお答えします。  1回目は、1問質問をいただきました。  女子の学生寮の設置についての質問にお答えします。  富山県学生寮と石川富山明倫学館、2つありますが、いずれも東京都内において公益財団法人が設置、運営する男子学生寮です。これまで多くの有為な人材を輩出しております。  このうち、富山県学生寮につきましては、公益財団法人において女子学生の受入れを中長期的な課題とされ、他県の男女寮の視察調査や女子学生の受入れに向けたハード、ソフトの両面での検討が進められてきたところなんですが、その後、寮内で新型コロナウイルス感染症への取組が優先され、この検討会が中断されていました。  このため、10月には横田副知事と荻布教育長が寮を訪問し、女子受入れの検討を働きかけたわけですが、現状の老朽化した施設のままでの女子学生の受入れは困難で、女子浴室やトイレの新設を含めた大規模改修や建て替えの検討が必要とのことでありました。  一方で、石川富山明倫学館につきましては、平成26年に男子寮として全面建て替えしたばかりであり、女子の受入れには施設改修が必要で、現状では難しいが、将来的な課題と認識していると伺っています。  県としましては、東京での高等教育を目指す本県出身の女子学生が、経済状況に関わらず進学機会を確保できる環境が整えられることが大切だと考えます。引き続き、女子学生の受入れや女子寮の設置についての検討会が再開されるよう、財団に働きかけてまいりたいと思います。 65 ◯副議長(瘧師富士夫君)横田副知事。    〔副知事横田美香君登壇〕 66 ◯副知事(横田美香君)私からは、女性の健康課題についての御質問にお答えいたします。  女性の健康と活躍のため、さらには少子化を食い止めるためには、女性のライフステージに応じた健康課題への理解を、女性自身と、そして企業などの職場にも広げ、対策を取っていくことが重要です。  一方で、昨年度、県内企業と従業員に対して実施したアンケート調査では、女性活躍のネックとなっている事項として、この女性特有の健康課題を挙げた割合は、女性従業員で29%、企業側では12%にとどまっている状況でございます。  県では、女性特有の健康課題をテクノロジーで解決するフェムテックを切り口としてこの課題を取り上げ、昨年8月のフェムテックフォーラムの開催を皮切りに、フェムテック製品やサービスを福利厚生として活用する県内企業への補助を行うとともに、今年度は、妊活や不妊治療に係るオンラインカウンセリング、企業内での多様性促進の一環としてのフェムテック研修、そして、とやまヘルスケアコンソーシアムでのフェムテック製品の開発支援やセミナー開催などに取り組んでいます。  健康課題は、活躍やライフプランを含めて女性のウエルビーイング向上に大きく関わる事項です。今年度の取組から得られた知見や企業の健康対策の好事例を横展開するとともに、企業、団体向けのリーフレット配布による普及啓発を進めてまいります。  その方法として、議員御提案の就業時の研修における啓発がなされるように、経済団体、業界団体などを通じて多くの企業に情報を届け、支援を継続していきたいと考えております。 67 ◯副議長(瘧師富士夫君)廣島生活環境文化部長。    〔生活環境文化部長廣島伸一君登壇〕 68 ◯生活環境文化部長(廣島伸一君)パートナーシップ宣誓制度に関する2つの御質問についてお答えいたします。  まず、制度の啓発、相談体制についての御質問です。  パートナーシップ宣誓制度が利用される際、特に制度の導入の初期段階には、制度や性の多様性に関する理解不足などによりまして人権侵害の事例が生じやすい状況が想定されます。  県としましては、まずは人権侵害が起こらないようにすることが重要であると考えておりまして、制度導入に合わせての周知啓発に努めることとしております。具体的には、制度に関するリーフレットを作成し、ホームページやSNSも活用しながら、県民や県内の事業者に広く周知を図る。また、性の多様性に関する理解を深めるため、シンポジウムを開催するほか、関係される方々へ配慮した対応を求める県や市町村の職員、関係機関等へのガイドブックも作成することとしております。  人権侵害が起こってしまった場合は、県の制度担当が相談に対応することになります。この場合、相談者の意向に応じまして、個人が特定されない形で対応するよう相談窓口を設定していきます。さらに、人権侵犯の調査等が必要になった場合は、法務局とも連携し対応していくことになります。  こうした問題となった事例ですとか、この問題への対応として効果的であったものにつきましては、市町村や関係団体と連携して開催します職員研修会等の場を活用して関係者間で情報を共有するほか、制度普及の啓発の際にも活用してまいります。こうした取組により、円滑な制度の運用と性の多様性に関する理解、啓発を継続して進めてまいります。  次に、他自治体との連携などに関する質問にお答えいたします。  本県で検討しておりますパートナーシップ宣誓制度は、性別を限定せず、希望すれば宣誓書受領証に子供の名前も記載できるなど、これまで本県に先行して制度を導入された他都府県と比較すると、対象を広くしております。  なお、令和元年7月に制度を開始した茨城県では、令和4年7月までの3年間の宣誓者72組のうち6組が制度のない地域からの転入ということもお聞きしております。  こうしたことを踏まえますと、制度の利用を検討される方にとりましては、本県は、多様性を認め合い安心して生活できる場、県として認識されるものではないかと、ひいては、制度を利用されない方にとっても、寛容性の高い住みやすい県として受け止められます。そういったことから、この制度につきましては、今後、丁寧な発信に取り組んでまいりたいと考えております。  また、全国的には、パートナーシップ制度の人口カバー率が62%を超えてきております。他の自治体との連携に関しましては、7月の全国知事会において、茨城県がパートナーシップ制度の自治体間連携を提唱し、検討していくこととされました。  本県といたしましても、他の自治体の状況を把握しまして、制度内容が異なる場合の調整などの連携について検討を進め、制度を活用される方の便宜をさらに図り、本県制度のPRに努めてまいります。  以上でございます。 69 ◯副議長(瘧師富士夫君)荻布教育長。    〔教育長荻布佳子君登壇〕 70 ◯教育長(荻布佳子君)私からは、まず県立高校の制服に関する御質問にお答えします。  校則は、教育目的を達成するために校長が定めるものですが、児童生徒の実情、社会の常識、時代の進展などに対応して、積極的に見直すことが必要であります。  県教育委員会では、これまでも各学校に対し、生徒や保護者などから意見を十分に聞くなど丁寧に対応しながら、制服や校則の見直しを図るよう各学校に伝えてきているところでございます。  この結果、全ての県立系高校において校則が見直され、制服については全ての県立高校で、男女の別なくスラックスなどの着用が選択可能となっており、約6割の学校では、見直しに当たって生徒の意見を取り入れております。  中には、多様性の尊重、性別や常識にとらわれないことなど、生徒の意見をコンセプトに取り入れ、制服をブレザータイプに変更した学校も見られるなど、多様性に対応した制服となった学校が増えております。また、制服のタイプやネクタイ、リボンなどのオプションを選択できるなど、生徒の自主性を尊重した運用が広まっているところです。  制服の見直しに当たっては、現在の制服に愛着を感じている生徒や伝統を大切にしてほしいという同窓生などからの意見もあることから、学校においては、様々な関係者の意見を聞きながら丁寧に対応することが必要となります。  しかしながら、制服も含め校則については、時代や社会の進展を踏まえ絶えず見直すことが必要であり、県教育委員会では、今後、ダイバーシティー推進の観点からも、制服着用の柔軟な運用なども含め積極的に見直しを図るよう、各学校に伝えてまいります。  次に、中学校の制服や校則の見直しについての御質問にお答えします。  中学生は、性への関心の高まりや悩みが生じる時期であり、特に配慮が必要です。中でも、性に違和感を持つ生徒の対応に当たっては、県教育委員会では、生徒の自認する性の制服や体操服の着用への配慮や、自身の状況を秘匿したいなど個々の心情への配慮、また、当該生徒と他の生徒双方への配慮など、留意すべきことについて各学校に周知をしてきております。  県内では、例えば体操服を男女統一とするなど、ほとんどの学校で性別違和への配慮の視点からも校則の見直しを行っております。制服については、男女共にスラックス着用を可能にすることをはじめ、男女の区別なく選択可能にしたり、ブレザーを導入したりして、生徒が抵抗なく選択できるよう配慮している学校もございます。  今後も、学校では、当該生徒や保護者の個別の心情などに配慮した丁寧な支援に努めるとともに、PTA総会や学校評議員会などを通して、校則や制服については、性別違和だけでなく、個別の事情に配慮して柔軟に対応することが大切であることなどを伝えて、地域全体に多様性への理解を広げていくことが望まれるところです。  県教育委員会では、スクールカウンセラーなどの相談体制の充実を図るとともに、教員や保護者を対象にした人権講演会や研修の実施、また、制服の対応に関する効果的な取組を広く情報提供し、多様性への理解を促進しております。  今後とも、社会や地域の無理解や偏見などの社会的な要因によって自殺念慮を抱えたり、アウティングの問題が生じたりすることのないよう、多様性への理解がさらに進むよう努めてまいります。  以上です。 71 ◯副議長(瘧師富士夫君)種部恭子君。    〔9番種部恭子君登壇〕 72 ◯9番(種部恭子君)2つ目は、子供の育ちの保障に関連して4問お伺いいたします。  新生児聴覚スクリーニング検査について、令和元年以降、おおむね全ての市町村で何らかの公費助成がなされるようになりました。また、国の事業の活用で、全医療機関でAABR──精度の高いスクリーニングを導入したと聞いています。せっかくスクリーニングで早期に介入できる体制が整ったのですから、適正な療育、教育が完結するまでフォローアップしてこそ、その意味があると思います。  県では令和元年に協議会を設置し、県リハに児童発達支援センターを置いて情報集約をしておられますけれども、適切な支援が得られているのかを把握して、ケースの検討で得られた知見をフィードバックしなければ、療育の質は向上していかないというふうに思います。そのためには、医療福祉と教育現場の情報交換ができる、いわゆる実務者会議のようなものを設置する必要があるのではないかと考えます。  実務者会議の設置も含め、協議会及び児童発達支援センターと現場との連携にどのように取り組んでいくのか、有賀厚生部長にお伺いいたします。  また、新生児期のスクリーニングでパスあるいはリファーであっても、精査では拾えないというものもありまして、後に聴力が低下していくケースについては、乳幼児健診や学校保健で拾い上げて適切な療育を保障する必要がございます。  近年では、特別支援学校ではなくて通常学級や特別支援学級において、補聴器や補聴援助システム(ロジャー)などを使って授業を工夫するなど学習支援が行われていますので、分離教育でなくなったということは非常によいことだと思っています。  しかし、授業についていけているのか、あるいは、困難だったとしたらその要因は聴力なのか教育方法なのか、教育の評価というのは非常に重要だと思います。場合によっては、途中で特別支援学級への変更を要することもあると思います。逆に、特別支援学校や支援学級に通級したけれども、途中で通常学級への編入を希望するという人もおられると思います。通常学級と特別支援学校・支援学級の枠を超えて、療育の成功事例をどんどん積み上げていく必要があるのではないかと思います。  しかし、さきの質問でも述べたように、児童発達支援センターや協議会は障害福祉の枠組みにとどまっています。学校側の事情を伝える場にはなっていない、その委員が入っていないというふうに聞いています。  教員の負担軽減の意味でも、学校側の担当者と福祉側の専門家が同じテーブルで教育支援とその効果を協議する必要があると思いますが、現状をどのように把握し今後どのように取り組んでいくのか、荻布教育長のお考えを伺います。  次に、小中学校の教員の多忙化解消について伺います。  新年度のスタートに向けて、学校では膨大な配付物の準備、提出物の回収、学力テスト、身体測定など、多大な業務が発生します。この年度の替わり目の業務負担を軽減するために異動の内示を早めてほしいと、昨年11月議会でも同じ質問をしました。その後、昨年度は異動の内示が、超過勤務が最も多く長時間労働が厳しい中学校で1日早くなったと聞いていますが、新年度のスタートは遅くなっていないと聞いています。  他県では、異動の内示が3月中旬、新年度のスタートが4月10日のところがあると聞いており、昨年の議会でも取組をぜひお願いしたいと言っていたところでございます。  年度の初めには、ぜひ余裕を持って十分に準備して、子供を迎え入れてほしいと願います。例えば、いじめや不登校、様々な課題を抱える多様な子供たちを受け入れるという意味では、この年度の替わり目、非常に重要です。それをきっかけに学校に行けるようになったり、クラスの空気が変わったりという大事な時期でありますので、引継ぎを含めて小中学校における教員の多忙化解消、それも含めて新年度のスタートというのは、余裕を持たせるために遅らせるべきではないかと考えます。  今年度の異動内示時期及び新年度のスタート時期の見通しと併せて、荻布教育長に御所見を伺います。  この項目の最後は、病児保育についてお伺いいたします。  病児保育は、エッセンシャルワーカーの事業継続に必須であります。しかし、どこの事業所もほとんどが赤字で、施設の存続が困難と聞いています。ゼロ歳児は年間で平均19日、1歳児は平均12日、熱を出して保育園をお休みになります。富山県の5歳未満人口で試算しますと、保育園のお休みの年間延べ回数は16万7,500回、病児保育の利用の潜在ニーズは約8万3,000回という試算があるそうです。  しかし、実際の利用はそれよりはるかに少なく、共働きが圧倒的に多い富山県としては、かなりの数のアンメットニーズがあると考えています。利用しにくい理由、利用をちゅうちょしている要因がどういうものなのかということを分析して、子供の発熱のたびに親がすみませんと言わなくて済むように、また重要な労働力である祖父母世代も、お孫さんの発熱のたびに休まなくていいように、時間的、空間的な効率化を図って、病児保育の利便性を高める必要があると思います。  例えば、ある市の病児保育施設はいっぱいで受け入れられないと言っても、隣の市町村の施設はがらがらで空いているという場合は、広域化を進めれば効率化が図れます。  また、預けようと思っていたら熱が下がったのでキャンセルするということも、当日出るわけであります。そんなところで、さっきまでは満員で受け入れてもらえなかったという人は、やはり受け入れてあげたいと、もう一回連絡をしたいと、そう考えることもあるわけです。そうなりますと、電話で連絡というのは非常に非効率でありますので、ウェブ予約システムを入れてIT化をすることで時間的な効率化が図れます。  これまでも病児保育の広域化を求めてきましたが、相互乗り入れをまだしていない一部の市町村がございます。また、電話のやり取りは非常に利便性が悪いということから、病児保育の広域化とIT化による利用促進について、現状をどう認識し今後どのように取り組むのか、新田知事に御所見を伺います。 73 ◯副議長(瘧師富士夫君)新田知事。    〔知事新田八朗君登壇〕 74 ◯知事(新田八朗君)病児保育についての御質問にお答えします。  今ほど種部議員から、8万回ですか、すごいニーズがあるんだなという、数字で言われるとよく分かりますが、この病児保育施設というのは、やはり男女共同参画の時代、仕事と家庭の両立に加えまして、社会機能を維持する観点からも大切な施設だと理解をしております。  令和2年度については、コロナ禍において利用人数が減少したものの、最近は増加傾向にあると聞いておりますが、子育て支援の充実や施設の安定的な経営の観点から、さらなる利便性向上や効率的な利用促進が必要であるとも考えます。  県内の病児保育施設では、居住地外からの利用について、周辺市町村に限定して受け入れるなどの対応をしている市町村がある一方、県内全域から受け入れている場合もあり、市町村ごとに実情を踏まえた上で、利用者の利便性を考慮し対応をされています。  県では、昨年度から、施設の基本情報と空き情報を一元的に確認できるホームページを運用しております。一歩前進したということで御理解ください。今年度は、病児保育の研修会において予約システムの紹介──今、一般的に使われているのが「あずかるこちゃん」というシステムだそうでございます──これの紹介や、実際に導入した施設における効果など先進例について共有をしたほか、広域化やIT化について市町村の担当者との勉強会を開催するなど、情報共有を図っているところです。  また、子育て支援制度のイメージアップも図るため、病児保育を紹介する動画を作成し、PRイベントやSNSを通して発信するなど、利用促進に向けた周知を強化しています。  ということで、広域化あるいはIT化を図る上で、今ちょっと空気を温めているという段階にあると思います。  じゃ、本県はめちゃくちゃ遅れているのかというと、全国で広域的に、いわゆる県内全域で利用可能なのが山梨県、山口県──どっちも「山」がついていますが──であります。それから、県内全域で利用できて、かつ予約システムもできているのは大分県、この3つであります。ここら辺が先進的というふうに認められております。  本県もそれに近づいていくべきだというふうに思いますが、議員もおっしゃったように、現在、利用児童に制限がない市町村は7市町あります。それから、制限をしている市町村が8市町村あります。その制限の仕方もまちまちです。まず、このあたりの制度をしっかりと統一することが必要かと思います。  さらに、お互い利用し合ったときの精算、これもやっぱり持続可能なシステムにするには必要だというふうに思います。そして、最終的にどんなシステムを入れるかということなどなど、課題ははっきりしているので、ニーズがそんなに多いとすれば、できるだけ対応すべきだというふうには考えます。  私からは以上です。
    75 ◯副議長(瘧師富士夫君)有賀厚生部長。    〔厚生部長有賀玲子君登壇〕 76 ◯厚生部長(有賀玲子君)難聴児の発見、療育に関してのお尋ねでございました。  本県では、富山県新生児聴覚検査事業に係る協議会を令和元年度に設置し、精度管理や療育支援の在り方について協議するなど、関係機関との連携体制の構築を進めてきたほか、県リハビリテーション病院・こども支援センター内の児童発達支援センターを難聴児支援の中核的施設として位置づけ、個々のニーズに沿った療育や相談支援を行っているところです。  議員御指摘のとおり、難聴児及びその家族に対し、診断から治療、療育、教育に至るまで、ライフステージに応じて適切な支援を行うためには、保健、医療、福祉及び教育等の関係機関の連携や情報交換が不可欠であり、国が示す難聴児の早期発見、早期療育推進のための基本方針においても、関係機関との連携強化などの体制確保が求められております。  このような国の動きを踏まえ、現在、より現場に近い実務担当者による情報共有や、具体的な支援体制、関係機関の連携方策等について協議する場の設置に向けて、関係者の意見や他県の事例等を参考にしながら検討を進めているところでございます。  引き続き、庁内関係部局や関係機関等と密に連携し、難聴児とその家族の支援の充実に努めてまいります。 77 ◯副議長(瘧師富士夫君)荻布教育長。    〔教育長荻布佳子君登壇〕 78 ◯教育長(荻布佳子君)聴覚障害のある児童生徒の学校と医療、福祉との連携についての御質問にお答えします。  難聴の疑いのある子供を含め聴覚に障害のある子供の教育に当たっては、一人一人の教育的ニーズに応じて適切な指導や支援を得られるようにすること、また、就学後もその能力や可能性を最大限に伸ばせるよう、学びの場の柔軟な見直しが行われることが大切であります。  通常の学級や特別支援学級など、それぞれの学びの場における指導や支援の充実、また学びの場の見直しについては、担任や特別支援教育コーディネーターによる学校での「きこえ」の状態の把握に加え、主治医からの聞き取りや児童発達支援センター等で行われる訓練の見学などを通して状況を把握し、校内の教育支援委員会などで検討した上で行われております。  また、小中高校では、聴覚障害に係る適切な教育支援を行うため、特別支援学校の相談支援や研修協力などのセンター的機能の活用や、専門性がある医療機関や団体の協力を得て、聴覚障害の理解や校内支援体制の整備、見直し、教職員の専門性の向上に努めているところです。  こうした取組の充実に向け、教育委員会としては、厚生部で現在検討が進められている難聴児支援のための関係機関の実務者による協議の場などの連携体制に積極的に参加をし、難聴児一人一人の教育的ニーズに応じた指導支援が一層充実するように取り組んでまいります。  次に、教員の多忙化解消と新年度の開始時期についての御質問にお答えします。  市町村立学校教員の人事異動の内示については、長年、3月下旬の修了式の日──3月24日頃ですが──に行ってきましたが、その早期化について学校現場からの要望もあり、令和2年度末は修了式の1日前、昨年度末は2日前に行ったところでございます。  市町村立学校教員の人事異動は、次年度の児童生徒数の変動を十分見極めた上で、県教育委員会と全ての市町村教育委員会との協議を踏まえて慎重に行う必要があることなど、さらなる早期化には課題もあるというふうに考えております。  また、各市町村立学校の始業日については、市町村教育委員会が設定をしております。  市町村教育委員会では、教員がゆとりを持って児童生徒を迎え入れられるよう、始業日まで一定の準備期間を確保することや、幼稚園や保育所、小中高校の入学式の日程や学童保育との調整といった保護者からの要望、授業時数の確保なども検討の上、設定をしているというふうに理解をしております。  今後の異動内示時期及び4月の始業日については、教員の働き方改革の観点にも配慮した望ましい在り方について、市町村教育委員会と共に、地域、保護者の意見も踏まえた上で研究をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。 79 ◯副議長(瘧師富士夫君)種部恭子君。    〔9番種部恭子君登壇〕 80 ◯9番(種部恭子君)最後に、危機管理と人口減少に関連して3問質問します。  最近、オリンピック組織委員会元委員の受託収賄や、コンプライアンス上問題のある団体と関連のある人が、自治体の政策決定に関わる委員会の委員に委嘱していたということが、県内でも問題になりました。  行政委員会や審議会など、専門家や県民の意見を聞くために設置される会議体の外部委員は、県政における重要な情報を知り得る立場にもなり、政策決定にも影響を与える重要なポストだと思います。  委員を委嘱する場合、その分野を専門とする人材に依頼するのは妥当なことだと思いますし、利益相反があるのは当たり前だと思います。したがって、特定の企業、団体やコンプライアンス上問題のある団体への利益供与の可能性がある委員が、何らかの便宜を図ったり、あるいは後に政治利用が問題となるというリスクは避けられません。  しかし、県の政策への影響があった場合、コンプライアンス上問題のある団体とのつながりや利益相反の開示があった上で委嘱をしたのか、開示を求め確認することもなく委嘱したのかということは、危機管理上の責任の所在が全く異なります。  私どもの医療や科学の世界では、臨床研究や学会発表などであっても、利益相反(COI)を開示するのは当たり前という、そんな時代でございます。  少なくとも、所属団体や役職、大きな資金や労務提供、株式等の保有、コンプライアンス上問題のある団体などとの関係性の有無が確認できるよう、県が委嘱する全ての会議体の外部委員には、委嘱前に利益相反の開示を求めるよう検討すべきと考えます。岡本経営管理部長に御所見を伺います。  国立社会保障・人口問題研究所の2045年──約20年後になりますが、20年後の富山県の将来人口推計では、2015年と比較して15歳未満人口が38%減少すると出ておりました。これを基に、人口動態統計から2045年の出生数を推計してみました。多く見積もっても、県全体で4,700人しか生まれません。砺波医療圏で生まれる子供は4割減の520人、新川医療圏では5割減の390人しか生まれてきません。  一方で、高齢出産などのハイリスク分娩の増加、最近は無痛分娩の希望者が急増していますので、産科医、新生児科医、麻酔科医が多数配置された重装備の施設でなければ、安全に妊婦さんのニーズにも応えるような産科医療は提供できません。  一方で、産科医と新生児科医の絶対的な不足と医師の高齢化を考慮すると、新生児科医と一般小児科医の数を足さなければ、2024年の医師の働き方改革による時間外労働の上限規制はクリアできません。  つまり、産科医だけでなく、関係している小児科や麻酔科、あるいは外科や救急も一緒だと思うんですけれども、これらの診療科も併せて集約化を協議する必要があります。すなわち、これはもう地域医療構想そのものということになります。  しかし、地域医療構想調整会議では、医療圏を超えた協議ができません。距離的な利便性も大事ですけれど、命を守るほうが大事だと私は考えます。医療圏を超えた集約化を避けることはもうできない状況でありまして、市町村や県民への説明、そしてアクセスの確保など、その調整には多大な労力がかかると思います。  集約化を含めた周産期医療の在り方について、診療科と医療圏を超えた協議ができる検討の場を設け、地域医療構想調整会議の歩調と併せて調整できるよう、人員配置を含めて担当部局の体制を強化する必要があるのではないかと思います。どのように取り組んでいくのか有賀厚生部長にお伺いいたします。  先ほども述べたとおり、2045年の出生数を試算すると4,700人であります。今から40年後の2060年には、高校1年生の数が現在の半分以下になるということです。  県は2060年に人口80.6万人を目指すと9月の議会で答弁をされていました。となりますと、人口の総数の減り方よりも高校生の減り方が著しく早いということに気づくわけであります。  私立高校の方にお伺いいたしますと、現在の私立高校を維持するには、最低でも生徒2,000人が必要ということでありました。公私比率を現在の72%のまま維持すると、2060年の段階では、県立の定員を72%としますと、私立高校は残りの1,300人ということになります。当然これでは維持していけないということで、支援の必要な子供への個別対応をしてくださったり、あるいは特色ある教育に尽力されてきた私立学校は、もう存続できないということになります。  一昨日の代表質問でもこれまでの議会でも、再三同様の質問が、ほぼ全ての会派の方から繰り返されております。公私比率という考え方や、議論がなかなか進まない、少子化の進行のスピードに追いついていないということに対しては、誰もが疑問を持っているのではないかと思います。  また、子供のことは子供の希望を聞いて決めるということは重要なことでありまして、子供の意見が聞き取れているかどうか、それを議論の根拠にするというのはいいことですけれど、実際本当に聞き取れているかどうかは、私はコントラバーシャルだと思っています。  例えば、毎年5月に中学校3年生に、県立を希望するか私立を希望するかという進路希望調査を行っています。これを今まで公私比率決定の参考にしてきたというふうに理解していますけれども、まだ進路指導が十分に行われていない3年生の5月に、県立高校を目指せという高校カーストのような風土がある中で、バイアスがかかった状態で調査をしていても、それは本当に意見を聞き取っているとは言えないと私は考えています。  高校再編のための合意形成には非常に時間がかかりますし、通常は民間でできることは民間に任せる。そして公が手を引いて、逆に不採算部門を補うというのが普通は当たり前の考え方だというふうに理解をしていますけれども、この公私比率という考え方を維持していくのかどうか。20年後の人口推計に基づき適正と考える学校数の見通しと併せて、民間出身の新田知事に、民間の当たり前で新しい風を吹き込むような答弁を期待して質問を終わりたいと思います。  御清聴ありがとうございました。 81 ◯副議長(瘧師富士夫君)新田知事。    〔知事新田八朗君登壇〕 82 ◯知事(新田八朗君)公私比率についての御質問にお答えをします。  公私比率につきましては、これまで公私立高等学校連絡会議において、中学校卒業者の進路動向などの実態を踏まえて、公私双方の合意に基づいて設定をしています。  公私比率は、県内の中学校卒業者の学習機会の確保、また各学校の生徒の収容に係る将来計画、私学の定員の確保の観点から意義があると思います。時代の変化に合わせて見直すべき点がないか、検討する必要があるとも考えております。  このため、先月2回開催した総合教育会議において、公私比率の在り方を論点の一つに議論をいただきました。出席者からは、「私立高校の経営には現在の入学定員数がぎりぎりだ」──今の議員の御指摘では2,000人ということですが──あるいは、「公私比率は学級編制や学級数を考える上で重要。生徒数の減少に応じて公立、私立が調整して適正な募集定員とすべき」などの御意見をいただきました。  また、御質問のありました20年後の適正な学校数を見通すには、推計人口のみならず、望ましい学校の規模、職業科などの学科構成、学区の設定の有無、生徒、保護者のニーズなど、学校に関わる要素をはじめ、さらに加えて、地域社会自体の変化といった予測が難しいことも含まれますが、多様な変動要素を考慮する必要があるため、現時点で具体的にお答えすることは困難なのではないかと。頭の体操的に幾つかの条件を置いて試算をすることは可能ですが、数字が独り歩きする嫌いもあるので、ここではお答えすることは困難と思います。  公私比率の見直しにつきましては、今後、総合教育会議や公私連絡会議において、私学振興の観点も考慮し、私学関係者から私立高校の現状や将来見通しなどについてよく御意見を伺いながら、さらに議論を深めてまいります。御質問をせっかくいただきましたが、今はまだ、アイ・エヌ・ジーの形ですので、今お答えできるのはここまでです。御理解いただきたいと思います。  私からは以上です。 83 ◯副議長(瘧師富士夫君)岡本経営管理部長。    〔経営管理部長岡本達也君登壇〕 84 ◯経営管理部長(岡本達也君)私のほうから、県が委嘱する外部委員に関する御質問にお答えをいたします。  会議体の運営の中立性、公平性を確保することは大変重要であると考えております。法令や条例を設置根拠とする行政委員会や附属機関では、当該法令等によりまして、委員の中立性の観点から除斥規定が設けられているものもあるところでございます。  また、これまで県では、附属機関における利益相反の確認についてですが、委員の委嘱後に行っているところでございます。これは、委嘱前の時点では具体的な審議事項が決まっていない場合が多く、個別の利益関係を確認することが困難であること。一方で、委員には所管事項に関する専門的知識を有する方に入ってもらう必要がありまして、幅広い審議事項が想定される中で、利害関係が存在することは避けられないことなどを考慮し、利害関係の有無をより適時適切に管理するという観点から、県では具体的な審議事項が固まった時点で、個別の利害関係に応じて審議に加わってもらうかどうかを判断しているところでございます。  なお、昨年8月に庁内に通知を発出いたしまして、委員の委嘱後、所管事項に関係する企業の役員等への就任状況を確認すること、また委員任期中に役員等に就任した場合には自己申告を求めること、審議事項に関係する委員の審議への参加が、審議の公平さや公正さに疑念を生じさせるおそれがある場合、退室や議決への不参加など適切な運営を行うことについて、周知を徹底したところでございます。  全ての会議体の外部委員には、委嘱前の利益相反の開示を検討すべきとの議員の御指摘がございました。この御指摘を踏まえまして、今後は附属機関以外のものも含めまして、その会議体に求められます個々の審議事項に関する利益相反の確認や、コンプライアンス上問題のある団体との関係に留意していくことについて、検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 85 ◯副議長(瘧師富士夫君)有賀厚生部長。    〔厚生部長有賀玲子君登壇〕 86 ◯厚生部長(有賀玲子君)周産期医療、小児医療についてのお尋ねでございました。  県の周産期医療については、極めてリスクの高い妊産婦や新生児の高度医療を県立中央病院や富山大学附属病院が担い、二次医療圏の地域周産期母子医療センターや連携病院、正常分娩を取り扱う地域の周産期医療機関と連携する体制を構築しております。  また、小児医療においては、二次医療圏ごとに大学、公的病院、医師会等が協力し、小児急患センターの運営や2次輪番体制の維持に努めているところです。  一方、本県の人口の推移について、平成30年に公表された国立社会保障・人口問題研究所の将来推計では、15歳から49歳までの出産可能な女性人口は、2015年の約20万人から2040年には約13万人へ、15歳未満の人口は2015年の約13万人から2040年には約9万人になるなど、出生数や小児人口が急速に減少していくものと認識しております。  また、診療所においては、産科医、小児科医の高齢化が見込まれること、病院においては、勤務環境の改善を図る医師の働き方改革に対応する必要があること等から、安全で質の高い医療を効率的に提供するためには、医療資源の集約化、重点化、そして、医療機関における機能分化・連携などの検討は重要な課題だというふうに考えております。  県としては、周産期保健医療協議会や小児医療等提供体制検討会を開催するほか、各厚生センターにおいて、地域医療の実情を踏まえ議論する周産期・小児医療部会を実施しております。  引き続き、医療現場や関係者等の御意見も踏まえながら、関係者間の協議の場を設置すること、そして、その対応を適時適切に行うための体制のありようについて、検討していきたいというふうに考えております。 87 ◯副議長(瘧師富士夫君)以上で種部恭子君の質問は終了しました。  暫時休憩いたします。休憩時間は10分間といたします。  午後2時50分休憩       ───────────────────  午後3時00分開議 88 ◯議長(渡辺守人君)休憩前に引き続き会議を開きます。  武田慎一君。    〔28番武田慎一君登壇〕 89 ◯28番(武田慎一君)早朝の日本勝利に国民は歓喜に沸き、興奮がいまだ冷めやりません。スポーツ議連事務局長として改めて称賛を送り、以下質問に入ります。  まず、地方創生の取組等についてお尋ねいたします。  「東京一極集中の解消」が死語となったような感じがします昨今、東京からUターンでありますとか各地から移住いただくなどの施策が、活力に欠けていると感じるのは私だけではないと思います。過去2度、富山県出身者の中央省庁の方々や大手企業の方々に新幹線運賃補助をし、リモートワークで週に1度程度上京する仕組みをつくるべきだと申し上げましたが、なかなか応えていただけません。とても残念です。  また、県内での動きに目を向けますと、例えば、南砺市や朝日町出身の県職員が地元を離れ、富山市に家を建て県庁等に通う例は少なくないと思います。同様に南砺市内でも、中山間地域等から市役所周辺など市街地への人口流出が起きています。  職員の方は通勤が楽になってよいのかもしれませんが、地元では、地域活動の貴重な担い手を失ってしまう、地域が衰退していってしまうという弊害もあります。この時期ですから、一軒一軒訪問し課題をお聞きしますと、とりわけ利賀村、上平村、井口村など中山間地域の方々がこの悩みをおっしゃっていました。県が動きを見せれば、市町村にも動きがあると思います。  そこで、富山県出身の中央省庁職員等に呼びかけ、リモートワークと週1回程度の通勤を組み合わせてUターンしていただく取組や、富山市出身以外の県庁職員がリモートワークを活用して地元を離れずに勤務できるような取組を進めることで、地域活動の担い手確保、中山間地域等の活性化につなげていくべきと考えますが、南里地方創生局長に所見をお尋ねいたします。  私の地元において中華料理店がオープンしました。オーナーは中国人ですが、不動産会社の重要事項説明の不足から、必要以上の投資、店舗改装における補助制度の無認識等が見受けられました。これは中国人に関わらず日本人でも後悔する部分であろうと思います。例えば、UIJターンされるような方に優しい在り方であるよう、不動産会社、行政、買主等と連携をしながら、スムーズな経営運営ができるよう取組を始めるべきと考えます。それがマッチングにつながり、商店街のにぎわい、住民の活力につながり、経済の発展となると思っております。  そこで、県内の空き店舗や空き家などの活用に係る補助制度の利用状況や周知はどのようになっているのか、中谷商工労働部長にお伺いいたします。  石井県政時代では、過去に国土交通省認定による伏木富山港湾整備が行われました。ガントリークレーンの増設設置、接岸バースの拡張等、東アジアへ向けての輸出等に係るものでした。これからは、水素輸送網としての整備も検討していくべきと考えております。  御承知のとおり、政府は2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロとするカーボンニュートラルの実現を掲げており、次世代燃料として期待される水素の消費量を、2050年には年2,000万トンまで拡大することとされています。  課題はコストを抑えることでして、資源エネルギー庁の試算では、水素の調達費用は1立方メートル当たり170円程度で、政府は2030年に8割減の30円に引き下げる目標を掲げています。大規模で安定的に水素を調達するサプライチェーンの構築が必要とされますが、現在、大規模な液化水素を海上輸送し、荷役機器で抜き取り、陸上の液化水素貯蔵タンクに充填できる港は、神戸港しかないと言われています。  こうした中、国では、カーボンニュートラル実現に向けた水素の受入れ環境の形成のため、来年度改定する海洋基本計画に、水素の安定的な確保に向けた海上輸送網構築を明記し、水素需要や立地条件などを考慮した上で、複数の港を水素受入れ拠点として指定する方針と聞いております。  そこで、国際拠点港湾である伏木富山港におけるカーボンニュートラルポート形成の実現に向け、水素の受入れ環境の整備について今後どのように取り組んでいくのか、政府が進める水素受入れ拠点の指定への対応も含め、蔵堀副知事にお伺いいたします。  近年、数億円から数十億円するクルーザーが世界の海をにぎわせています。富豪や愛好者は、世界旅行に海洋を選択し、自前のクルーザーで各地の港に寄港します。特に、最も美しい湾を選び、その地に数日滞在することがはやりと聞いております。  そこで、大型高級クルーザーが寄港できるような港湾整備やマリーナ改修などのほか、県として高級クルーザーの誘致に向けた取組を進めていくべきと考えますが、南里地方創生局長にお尋ねいたします。  ブルーライン、サイクルラックの整備についてです。  9月に、山本徹議員率います、富山県内議員約100名によります富山県議員サイクリング研究会が出発をいたしました。また、徳島、兵庫両県で、大鳴門橋に自転車道を設置するという新聞記事も載っておりました。  交通安全はもとより、サイクリスト本人の快適さ、観光地等までの誘導等が大切でありまして、例えば、宇奈月温泉までブルーラインを引いていただきたいとの要望については、愛本橋までは引いてはございますが、それ以降は温泉まで一本道なので、サイクリストは迷うことはないとの答弁であります。予算がないからではなく、富山県として、サイクリングをツールとする観光需要を伸ばしていこうと思っておられるわけですから、意気込みを持って充実を図っていくことが必要なのです。  また、宇奈月温泉にはサイクルラックがないと指摘されていますし、一方、富山湾岸サイクリング2023の開催地が黒部市に決定し、宇奈月温泉開湯100周年が大いに盛り上がるものと思われます。  そこで、県道におけるブルーラインの整備やサイクルラックの設置など、快適にサイクリングを楽しんでいただくための環境整備を一層進めていくべきと考えますが、サイクルラック等の整備については南里地方創生局長、ブルーラインの整備については市井土木部長に所見をお尋ねいたしまして、1問目の項目を終わらせていただきます。 90 ◯議長(渡辺守人君)蔵堀副知事。    〔副知事蔵堀祐一君登壇〕
    91 ◯副知事(蔵堀祐一君)私からは、伏木富山港における水素等の受入れ環境整備についての御質問にお答えをいたします。  港湾における水素等の受入れ環境整備に当たりましては、輸入調達、貯蔵、配送及び利用といった分野がございまして、電力事業者あるいはエネルギー事業者、さらには運送事業者など、港湾管理者以外の民間の事業者が担う分野が多くございます。このため、こうした民間事業者との連携が不可欠でございまして、その意向を十分踏まえて進める必要があると考えております。  県では昨年度、民間事業者を含みます伏木富山港カーボンニュートラルポート検討協議会を設置いたしまして、カーボンニュートラルポート形成計画の策定作業を始めております。今後、水素や燃料アンモニア等の需要量の推計ですとか、水素等のサプライチェーンの拠点としての受入れ環境整備について検討することといたしております。令和5年度末を目途に、伏木富山港カーボンニュートラルポート形成計画を策定したいと考えております。  一方、国が昨年度設置をいたしましたカーボンニュートラルポートの形成に向けた検討会では、将来の水素の供給につきまして、海外から大量に輸入する必要があるとされております。国では、この検討会での議論を踏まえまして、水素等のサプライチェーン構築に向けました輸入拠点港湾を検討する予定と聞いておりますけれども、まだ輸入拠点港湾の指定方針は具体的には固まっていないというふうに聞いております。ただし、現時点では、そうしたことが示されていないわけですけれども、国の検討状況を注視して情報収集に努めたいと思っています。  また、県としても民間事業者の意向もよくお聞きをいたしまして、県の検討協議会において、どのような施設が必要となるのか、そうした点についてよく検討してまいりたいと考えております。  以上です。 92 ◯議長(渡辺守人君)南里地方創生局長。    〔地方創生局長南里明日香君登壇〕 93 ◯地方創生局長(南里明日香君)私からは3問。まず、リモートワークによる地域活動の担い手確保、中山間地域等の活性化についての御質問にお答えいたします。  リモートワークにつきましては、近年、コロナ禍も契機として関心が高まるとともに、5Gの普及拡大など環境整備が進んできておりまして、議員御提案のリモートワークを活用した地域活動の担い手確保や中山間地域等の活性化については、貴重なアイデアであると感じております。  県ではリモートワークに着目した取組として、関係人口の創出拡大を図るため、知事政策局において、富山でのテレワークを促進する助成金制度を設けております。ただ、今後起業やサテライトオフィスを設置する人を前提とした制度でございまして、御提案のような国家公務員の活用は現在は対象外となっておるところでございますので、そこで、御意見も踏まえまして、例えば出張と合わせたリモートワークの御案内ですとか、各省の県人会を通じてそういう御案内を行うことも検討してまいりたいと思います。  また、県職員における取組といたしましては、業務効率化、生産性の向上、ワーク・ライフ・バランスの確保に加え、新たな発想やイノベーションが生まれる職場環境づくりを目指して、柔軟で多様な働き方を推進するため、テレワークの拡大に取り組むこととしておるところでございます。  一方、県においては、ペーパーレス化やネットワーク環境は整備の途上でございまして、対面が必要な業務もあるなどの課題もあるところでございます。今後は、地域活動の担い手確保や中山間地域の活性化に加えて、関係人口の創出・拡大、働き方改革の観点からも、例示いただきました中央省庁などの本県関係者への働きかけや県職員による取組促進なども含めて、関係部局と連携して、どういった取組が可能か検討していきたいと思います。  次に、高級クルーザーの誘致についての御質問に対してお答えいたします。  高級クルーザー、中でもスーパーヨットと呼ばれる大型高級クルーザーを利用する富裕層は、ゆっくりと旅を楽しみ、各港湾での滞在時間も長いことから、富裕層に県内各地を周遊、滞在していただければ、大きな経済効果があると考えられるところでございます。  大型高級クルーザーの誘致に当たっては、静かで穏やかな水域、安全で快適な停泊、これらはもとより、恵まれた自然景観、観光地としての魅力、宿泊施設等の関連施設の充実も必要であるとされておるところでございます。  そういう意味では、新港マリーナは、クラブハウスやオーナーズハウスなど富裕層にも楽しんでいただける施設を有しておりまして、実際に平成30年度には、全長100メートル超のスーパーヨットを伏木富山港の新湊地区の中央岸壁で受け入れた実績もございます。  また、観光地の魅力といたしましては、いわゆる高付加価値旅行者向けの宿泊施設の整備やホテル旅館の上質化支援を進めるとともに、国内外の富裕層に対する観光サービスの充実のため、女性の視点を生かした商品開発や人材育成にも取り組んでおるところでございます。  このように、本県での大型高級クルーザーの誘致に必要な条件を整えるように努めておるところでございますが、大型高級クルーザーの受入れは全国でも年間10件程度にとどまっている状況ではございます。  今後、今月8日から開催されます「世界で最も美しい湾クラブ」カンボジア総会や、G7教育大臣会合、首都圏でのマリンスポーツの総合展示会などの場も活用いたしまして、富山湾と本県観光資源の魅力を発信するとともに、スーパーヨットの誘致活動に取り組む国内の団体との意見交換、情報収集に努めてまいります。  最後に、サイクリングの環境整備の御質問についてお答えいたします。  富山湾岸サイクリング2023が、来年4月16日に黒部市総合公園をメイン会場にして開催されることが決定いたしました。これは、宇奈月温泉開湯100周年を迎える記念すべき年に、黒部市で初めて本大会が開催されることとなります。地元と共にしっかり盛り上げてまいりたいと考えております。  コースの詳細は、黒部市や関係団体と調整中でございますけれども、富山湾の美しい景観や、黒部川の扇状地、沿線の桜やチューリップ、県内最大の温泉街がある宇奈月温泉の魅力を存分に満喫していただきたいと考えております。  県ではこれまで、サイクルステーションやサイクルカフェの整備をはじめ、国のナショナルサイクルルート指定後には、「サイクリストに優しい宿」認定制度の創設ですとか、サイクリスト向けサービスを提供するコース沿線のコンビニエンスストアを「サイクルふらっと」として認定する制度を創設するなど、受入れ環境の整備に取り組んでまいりました。  さらに今年度は、4月に黒部市内でオープンした道の駅KOKOくろべをサイクルステーションに、また、カフェなど4か所をサイクルカフェとするなど、サイクリストの利便性が高まるよう、バイクラックや空気入れ、修理工具の配備を一歩一歩進めてきたところでございます。  今後とも、市町村や民間事業者とも連携しながら、県内をはじめ国内外から訪れる皆さんに、安全・安心で快適にサイクリングを楽しんでいただくことで、観光誘客や地域活性化、さらには富山ファンの増加を図り関係人口の創出にもつながるよう、受入れ環境のさらなる充実に努めてまいります。 94 ◯議長(渡辺守人君)中谷商工労働部長。    〔商工労働部長中谷 仁君登壇〕 95 ◯商工労働部長(中谷 仁君)私からは、空き店舗や空き家の活用に関する御質問にお答えをいたします。  空き店舗や空き家を活用いたしました開業や移住を促進することは、地域のにぎわい創出にとって大変重要な取組であるというふうに考えております。  県では近年、令和2年度に、まちなか開業促進物件整備事業によりまして、高岡市金屋町付近のビルを改修いたしましたシェアオフィスの整備、令和3年度には、先駆的空き家活用モデル支援事業によりまして、射水市新湊地区における空き家を活用した移住者向け賃貸住宅の改修を支援してきております。  また、令和4年度、今年度でございますが、とやまUIJターン起業支援事業によりまして、これも射水市内川沿いの民泊施設整備、及び認定中心市街地支援事業によりまして、中心市街地で空き店舗調査を行いまして、開業を検討している方々に向けてホームページで情報発信を行う取組などを支援してきております。  こうした支援制度につきましては、開業や移住を検討しているUIJターン希望者、それから外国人の方々も含め幅広い皆さんに、効果的に情報を届けるために県ホームページにおきまして、各市町村における独自の空き店舗や空き家に係る補助制度を含めまして掲載をしますとともに、商工団体等を通じた情報提供や、富山くらし・しごと支援センター、富山県外国人ワンストップ相談センターにおきまして、適切な相談窓口の紹介を行っているところでございます。  空き店舗や空き家の活用は、まちなか活性化、移住促進、起業支援など多様な側面を持つものでありますので、それぞれの支援制度が、より分かりやすく、様々な取組に有効に活用されますよう、今後とも関係部局・機関、市町村、商工団体等と連携をし、周知広報に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 96 ◯議長(渡辺守人君)市井土木部長。    〔土木部長市井昌彦君登壇〕 97 ◯土木部長(市井昌彦君)私から、サイクリングの御質問のうち、ブルーラインの整備についてお答えします。  県では、富山湾岸、田園、湾岸・田園連絡の3つのサイクリングコースを設定し、ブルーラインの整備を進め、現在は道路舗装の修繕や標識の設置など、これら3つのコースを安全、快適に走行いただけるよう、走行環境の改善に努めているところでございます。  その一方で、平成26年から3つのコースの合計約319キロメートルにわたって整備してきたブルーラインでは、今後、タイヤによる摩耗や冬期間の除雪によって標示が薄くなるため、白線のセンターラインや外測線などの区画線と同様、定期的に引き直しを行う必要もあります。  こうした中で、この3つのコースを核としてサイクルツーリズムを推進し本県の観光需要の創出を図っていくため、今後の展開としては、現コースの走行環境の充実の取組と併せて、他県のように、専用ナビゲーションアプリを搭載したスマートフォンを自転車に装着して、周辺コースや観光スポットを巡っていただくような取組も有効ではないかと考えています。  また、民間のアプリには、初心者から上級者までの様々なニーズに応えるルートを提案できる機能を有し、既に全国各地のコースが登録され、本県の南砺市のコースも、沿線の名所とともに分かりやすく紹介されているものもございます。  これら専用アプリの活用により、議員から提案のあった宇奈月温泉までの県道についても、目的地までのスムーズな誘導が可能となり、さらに、黒部市を含む新川地域においても6つのコースが設定されていることから、周辺の周遊性の向上も図られるものと考えております。  今後とも、快適にサイクリングを楽しんでいただけるよう、関係者の御意見も伺い、走行環境の向上に努めてまいります。  以上です。 98 ◯議長(渡辺守人君)武田慎一君。    〔28番武田慎一君登壇〕 99 ◯28番(武田慎一君)県民の安全・安心についてお尋ねいたします。  昨年6月の千葉県八街市の児童死傷事故や、先月4日の大阪府堺市での事故では、登下校中の小学生が被害に遭われました。本県でも同様の事故が起きないよう、フレッシュアップ事業に限らず早急に通学路の安全対策を講じなくてはなりません。  そこで、県内における通学路の安全対策の進捗状況と、今後さらなる歩道設置などの整備に向けてどのように取り組んでいかれるのか、市井土木部長にお尋ねいたします。  県道の中には、車両の擦れ違いが困難な道幅の狭い踏切や橋梁もあります。特に北信橋においては、令和元年9月定例会で架け替えを表明されましたが、ボーリング調査ぐらいしか行われず、関係住民は県に対し、不安を通り越して不信感まで抱くようになっています。南砺市から部長への要望活動においては、たくさん事業があり、なかなか手をつけることができないと答弁され、架け替えに向けての意気込みとは真逆の答弁でありました。  また、第2北野踏切についても関心を持っておりまして、毎年のように政調会にて視察をいただいております。  そこで、市井土木部長には、県管理道路の踏切や橋梁で、前後の道路よりも狭く車両の擦れ違いが困難であるなど、課題がある橋梁等はどのぐらいあるのか、また、今後の整備スケジュールをお示しいただくとともに、架け替えや改良に向け、改めて決意表明をお願いいたします。  全国的にも後を絶たない高齢者による車両事故ですが、5月に改正道路交通法で導入されましたサポートカー限定免許の取得者が、かなり少ないとされています。過日、後輩に、「うちのばあちゃんに免許返納しられ言うてくれんけ」とせがまれました。身内が言っても駄目なものは、私が言っても当然駄目でした。  90歳を超えても、腰が曲がっても、膝が痛過ぎても、薬をもらいに行かんなん、友達の家に遊びに行かんなん、この根性は見習わなくてはいけないと思いました。  サポートカー限定免許は、普通免許の保有者が希望すれば切替えが可能となるわけですが、乗れるのはサポカーだけになってしまいます。ただ、サポカーに買い替えようにも、補助金などの支援がないと買い替えが困難であります。  また、一定の違反歴がある75歳以上の高齢者に義務づけられた実車試験の合格率は90%以上と高く、あえてサポートカー限定免許に切り替えるメリットがないのが現実であります。  そこで、県内におけるサポートカー限定免許の取得状況と、今後どのように限定免許を普及させ高齢者事故を防いでいかれるのか、杉本警察本部長にお尋ねいたします。  日本国内の小中学生の不登校の数は、昨年度24万4,940人。過去最多の前年度より4万9,000人増えました。富山県内で2021年度に不登校だった小中学生、高校生は2,256人と過去最多となりました。  今般、初となる不登校の家庭への緊急アンケートが、成蹊大学小林研究室らによって行われましたが、担任や自治体の窓口に相談しても助けにならなかったとの回答が、全体の半数を占めました。また、子供を独りにしておけないなどの理由で仕事を減らし、その結果、収入減となった家庭が32%に上ったとのことでありました。  子供の不登校から世帯収入の減や生活困窮にも陥るおそれもあると考えますが、こうした現状をどのように捉えどのように支援していくのか、有賀厚生部長にお尋ねいたします。  過日、富山市内の中学校の女子生徒が、いじめのため不登校になり自殺にまで発展したとの報道がありました。御本人はもとより、未来あるお子さんを失った御遺族の無念さを思いますと、言葉がありません。  こうしたことが繰り返されないようにしていく必要がありますが、さきに挙げた全国の不登校の小中学生24万4,940人のうち、8万8,000人余りが支援を受けていないそうで、文部科学省は相談指導の体制の充実を検討しています。  また、いじめについても過去最多となっており、県内には親同士が悩みを共有できる場も少なく、フリースクールも圧倒的に足りないのが現実だと考えますが、県の見解を荻布教育長にお聞きし2問目の質問を終わります。 100 ◯議長(渡辺守人君)市井土木部長。    〔土木部長市井昌彦君登壇〕 101 ◯土木部長(市井昌彦君)私から、2問いただきましたので、まず通学路対策についての御質問にお答えします。  小学校の通学路については、市町村が定める通学路交通安全プログラムに基づき、定期的に学校、県等の道路管理者、警察等の関係者が合同で点検を行っています。  また、昨年度は、6月に発生した千葉県八街市の事故を受け、幹線道路の抜け道となっている箇所などを含め、関係者による合同点検を改めて実施いたしました。  昨年の点検の結果、県管理道路においてハード対策が必要な箇所は218か所となったところです。このうち、昨年度末までに36か所で対策が完了いたしました。今年度はさらに、歩道整備の18か所にガードパイプの設置やカラー舗装などの74か所を加えた合計92か所の完成を目指しており、これにより累計128か所、全体の59%の対策が完了することになります。  残る90か所については、今回の11月補正予算で上程したゼロ県債を活用し、路肩拡幅等の早期工事着手を図りたいと考えており、また、用地買収を伴う歩道整備など事業規模が大きい箇所については、国の補助金等を活用し、計画的に整備を進めていくこととしております。  今年度も、各市町村では、今年6月から来年2月にかけて通学路総点検が実施されており、新たに対策が必要な箇所については、関係者間で協議の上、年度末までにそれぞれの役割に応じた対策案が取りまとめられる予定であり、県においても、県管理道路における対策を順次実施していきたいと考えております。  今後とも、必要な予算の確保に努め、地元や関係の方々の御協力を得ながら、歩道整備など通学路の安全対策に積極的に取り組んでまいります。  次に、踏切や橋梁についての御質問にお答えします。  県管理道路の踏切については、踏切改良促進法に基づき改良すべき踏切として、平成28年の法改正以降9か所が指定されています。昨年度までに5か所の対策が完了し、残る4か所のうち1か所は、現在事業中で年度内の工事着手を目指しており、3か所については、鉄道事業者と着手に向けた協議、調整を進めています。  こうした踏切改良の手順としては、鉄道事業者との手続を円滑に進めるため、まずは改良すべき踏切の指定に向けて取り組みます。その後、地元市町村の協力も得ながら、地元の方々、鉄道事業者と合意形成が図られるよう協議、調整を進めます。その上で事業化を目指すこととしております。今後とも、着実に県内の踏切整備が進むよう努めてまいります。  次に、県が管理する長さ15メートル以上の橋梁のうち、前後が2車線で拡幅済みであるにもかかわらず、車道部の幅員が6.5メートル未満で大型車の擦れ違いが困難な橋梁は38橋ございます。このような橋梁に対しましては、老朽化の度合いや交通量などを勘案の上、1つに、適切に補修を実施する、2つ目に、老朽化による橋梁の架け替えの際に拡幅するといった対応を、これまで取ってきているところでございます。  お尋ねの北信橋につきましては、架設から57年が経過し、橋桁や床版にひび割れが確認されるなど劣化が進行していることから、令和2年度から架け替えに向け、ボーリング調査だけではなく、平面測量、地質調査、橋梁形式の検討等を進めてきたところでございます。  今後、線形や幅員等を決定する予備設計、現地の縦横断測量、道路、橋梁の詳細設計など、段階を踏んで調査を進め、事業に着手できるよう準備を進めてまいります。  以上です。 102 ◯議長(渡辺守人君)杉本警察本部長。    〔警察本部長杉本伸正君登壇〕 103 ◯警察本部長(杉本伸正君)私からは、サポートカー限定免許についての御質問にお答えいたします。  サポートカー限定免許は、道路交通法改正に伴いまして本年5月に導入をされたものでございますけれども、運転に不安を覚える高齢運転者等に対して、運転免許証の自主返納だけではなく、その前の段階として、より安全な自動車に限って運転を継続するという中間的な選択肢を設けるものでございます。  その取得状況につきましては、11月末現在、本県でサポートカー限定免許を取得された方はいらっしゃいません。全国でも、本年10月末現在で取得者が11人にとどまっているという状況にございます。制度施行から間がないことや、サポートカーがいまだ普及の途上にあることから、この制度の定着には多少の時間を要するものと考えております。  県警察におきましては、この免許の取得促進に向けた取組としまして、交通安全教室や高齢者講習、安全運転相談ダイヤルなどの機会を通じまして、この制度を御案内して認知度の向上に努めております。  また、この制度に関するユーチューブ動画を配信することにより、高齢者のみならず、高齢者の方のよき相談相手となり得るお子さんやお孫さんの世代に対する周知にも取り組んでいるところでございます。  さらに、富山県自動車販売店協会及び富山県軽自動車協会と連携をいたしまして、サポートカーの試乗体験を継続的に実施しておりますけれども、この試乗体験の機会に併せて、この制度の周知を図っているところでございます。  サポートカー限定免許は、高齢運転者の御家族の安心感につながるものでもございますし、また、運転者自身が高い安全運転意識を持っていることを周囲に表明できるものでもございますので、今後とも、様々な機会を活用してその取得促進に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 104 ◯議長(渡辺守人君)有賀厚生部長。    〔厚生部長有賀玲子君登壇〕 105 ◯厚生部長(有賀玲子君)子供の不登校をきっかけとした収入減や生活困窮に陥る例に関する御質問でございました。  全国同様、本県でも不登校児童生徒数は過去最多となり、また、県子ども・若者総合相談センターに寄せられた相談でも、不登校の相談が全体の7割を超え増加傾向となっております。さらに、議員からも御紹介のありましたNPO法人が行ったアンケート結果によると、子供の不登校により、その家庭にも影響が及んでいるとの結果が示されております。  こうした状況から、家庭にのみ子育てや教育の責任を負わせるのではなく、地域全体で子供やその家庭を支えていくことが求められており、地域社会の中に、子供が安心して過ごせる居場所や多様な教育の場を確保し、子供の健やかな成長を支援していくことが重要であると考えます。  そのため、去る10月に、県やNPO法人など子供や若者の民間支援団体等で構成する、子ども・若者支援地域協議会相談対応部会を開催し、不登校に関する最近の事例について、その対応策や連携策などについて協議いたしました。  また、部局横断的な企画立案や施策を推進するため設置した、こども未来プロジェクトチームでは、子供の居場所づくりを検討課題の一つとして、例えば、こども食堂が、子供の居場所や子供を中心とした多世代間の交流拠点に発展するための支援策について検討しております。  今後とも、不登校をはじめ困難を抱える子供やその家庭への支援策として、地域の中に子供が安心して過ごせる子供の居場所づくりが促進されるよう、教育委員会など関係部局、また市町村や関係団体等と連携して取り組んでまいります。 106 ◯議長(渡辺守人君)荻布教育長。    〔教育長荻布佳子君登壇〕
    107 ◯教育長(荻布佳子君)不登校やいじめの問題への支援についての御質問にお答えいたします。  不登校やいじめの認知件数は県内でも増加傾向にあり、その背景としては、子供同士の関係性、また、家庭環境や家族との関係性、学業の不安など、様々な要因が考えられます。不安や課題を抱える児童生徒に適切に対応するためには、保護者への支援も必要であり、気軽に相談したり悩みを共有したりできる場をつくることが大切であると考えます。  このため、県総合教育センターでは、保護者等の交流の場として、セミナーや親子で参加する体験交流活動を開催しており、参加者からは、思いを共有できて安心したといった声を聞いております。また、市町の教育支援センターにおいても、保護者同士が情報交換をしてネットワークを広げることができる取組を行っているところでございます。  また、昨年度からは、フリースクールなどの民間施設の代表者にも参加をいただいて不登校支援協議会を設置し、市町村教育委員会や校長会など関係機関との連携を図っております。  今後、他の民間施設からも広く御意見を聞き、民間施設同士のネットワークを広げることについても協議をし、学校や市町村教育委員会に情報提供するなど、幅広い学びの場が確保できるよう連携体制の充実を図っていきたいと考えております。  児童生徒一人一人の状況に応じて多様な教育機会を確保することが必要であることから、今後、保護者同士の交流や子供の学びの場に関する情報について積極的な周知に努め、また、家庭と学校、関係機関、民間施設との連携を深め、児童生徒の自立に向けた支援の充実に努めてまいります。  以上です。 108 ◯議長(渡辺守人君)武田慎一君。    〔28番武田慎一君登壇〕 109 ◯28番(武田慎一君)最後に、県内経済の活性化等についてお尋ねいたします。  1点目は、富山ブランド等の継承についてです。  庄川の挽物木地につきましては、地元の若い女性が会社を辞め、富山ブランドの担い手になると決意を固めました。親方の弟子として、これで9か月頑張ってこられましたが、ある事情でなかなか、機械、ろくろというんですかね、あれを回すことさえもなかなかできず、ひどい日には1時間のみであります。親方のやることを見てまねて覚えろというのが職人気質なのかもしれません。御本人は相当戸惑っておられ、私まで泣きそうな気がしました。  給料といえば、砺波市が最近創設をいただきました補助金と合わせ、10万円程度であります。生活をするため、幼い子供を育てるため給料も必要ですが、何よりも伝統を守る技を手に入れたいのであります。彼女は思い切って親方に向かって、山中の訓練校に通いたいのだと申し出ました。相当な勇気でした。さらには、授業料等は4年間で約450万円です。特に2年間は山中にアパートを借りて、地元に小さい子供を置いてまでの決意です。  こんなに富山ブランドを愛し継承する気持ちを持っておられる方にこそ、そろそろ富山県としても動きを見せていかないと、ブランドは継承できなくなってしまうのではないでしょうか。4月に視察をされました知事の率直な思いをお聞きしたいと思います。  そこで、県内には井波彫刻をはじめ様々な伝統工芸や富山ブランドがありますが、それらに対する補助制度の現状や今後の取組について、新田知事にお伺いいたします。  次に、本年も全国各地で豪雨災害が発生するなど、広域化、激甚化は止まりませんでした。国民の生命、財産を守り、国民が安全・安心に暮らせる強靱な国土をつくり、着実かつ集中的に推進するため、防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策に続き、5か年加速化対策が実施されておりますが、まだまだ十分ではなく対策を進める必要があります。  また、現下の物価高騰の状況を見ますと、速やかに単品スライド条項を発動すべきだと思いますが、新潟県では国の改正通知から間を置かず、6月24日から新たな制度に基づく運用を開始したと聞いておりますが、富山県では10月15日からで、大変遅かったのではないでしょうか。加えて、現在の制度では、物価高騰分のうち1%は業者側が負担することになっていますが、この点も改善が必要だと思います。知事には、より強力的に国に求めていただきたいものであります。  そこで、経済の活性化、地方創生等の促進のためにも、公共事業予算の安定的、持続的な確保と、国土強靱化に関する予算の恒久的な確保を図るとともに、資材価格高騰の現状を踏まえ急激な高騰があった場合は、直ちにきめ細かく資材等の単品スライド条項を適用していくことが必要と考えますが、新田知事のお考えをお聞きしたいと思います。  利賀ダム建設の推進と地元建設企業等の受注機会の拡大についてでありますが、今日まで利賀トンネルや転流工の整備が進められ、ダム本体工事や貯水池斜面対策工事に向けた工事用道路の整備が進められております。  国の考え方によりますと、今後発注されることとなる利賀ダムの本体工事など大規模な工事を県内企業が受注することは難しいと聞いておりますが、本県といたしましても相当な負担をしているわけでありますので、国土交通省発注だからと諦めるのではなく、地域振興を図る観点から地元建設企業の受注機会の拡大を求めますが、新田知事のお考えをお聞かせ願いたいと思います。  県営水力発電所は20か所、そのうち建設から50年以上たったものが10発電所あり、そのうち設備更新が急務な若土発電所、FITを活用したリプレースの実施上、収支面も含めて課題の少ない庄東第一、大長谷第二、仁歩発電所と、4つの施設が優先候補に選定されております。令和2年度から順次発注が進められておりまして、令和10年度には終わるよう工程が組まれています。  若土は、緊急性があり直営での改修とされますが、あとの3施設は、総合的にも最も優れた評価のDB方式を採用されました。4施設の全体事業費合計は248億3,400万円必要となり、私としては、鳥取県が採用しております整備、維持管理、運営、売電収入の帰属に有利とされるBTプラスコンセッション方式を採用すべきであったと思います。  技術者不足にも対応でき、発電所の運営を民間事業者に任せることで、収入変動や自然災害等の経営リスクを官民で適切に分担することに併せ、民間事業者ならではの創意工夫が可能となり、県として長期安定的な収益確保が可能になるはずです。  そこで、本県では、電気事業についてのさらなる民間活力の活用に向けてどのように取り組んでいくのか、今井企業局長にお尋ねいたしまして質問を終わります。  ブラボー。  御清聴ありがとうございました。 110 ◯議長(渡辺守人君)新田知事。    〔知事新田八朗君登壇〕 111 ◯知事(新田八朗君)武田慎一議員の御質問にお答えします。  まず、伝統工芸に対する支援についてです。  本県の伝統工芸品産業は、生活様式の変化などによりまして販売額の減少、また、後継者不足が年々深刻となっていることから、今年の3月に、伝統工芸振興の支援策を取りまとめた伝統工芸文化継承・産業振興プログラムを策定し、人材の育成、新商品開発、販路開拓などに取り組んでいます。  中でも、人材育成は大きな課題の一つであると認識しており、そのため、各産地で高い技術を持つ職人を「伝統工芸の匠」として認定をし、後継者の指導に要する経費を支援しています。また、各産地の職人による実演や製作体験を通じて伝統工芸への愛着を育む普及啓発事業など、各産地組合などを経由して、人材育成につながる取組に対して助成しています。  さらに今年度は、人材確保につなげるため、各産地の若手職人が伝統工芸に従事する魅力を紹介するプロモーション動画を作成しておりまして、県のホームページやユーチューブなどを活用したPRにより、新たな従事者が生まれるきっかけとなることを期待しています。  私も、今年4月に、庄川挽物木地の後継者育成の現場を視察させていただきました。若い方が将来に希望を持って伝統工芸に取り組んでいただけるように、もう少し工夫が要るようにも感じて帰ってきました。今後はさらに、デジタル、AIを活用した技術、技法の承継、また、新商品の開発について検討を進めるとともに、海外も含めたコト消費を重点とした販路の開拓等について、各産地組合や関係自治体と共に取り組んでまいりたいと思います。  確実に今、海外で、日本でもですが、海外の人も、日本の工芸品についてはすごく注目をしております。この前も、南砺市御出身の桝本博之さんがサンフランシスコで工芸展を開かれたところ、本当に大きな反響を呼んだというふうな話を聞きました。今が正念場だというふうに思っております。  次は、公共事業予算の確保の御質問にお答えをします。  新型コロナの影響や急激な円安の進行、物価の高騰による厳しい経済情勢の中で、災害の激甚化、頻発化という課題に対応していくためには、県では、県土強靱化と地域経済の活性化の双方の達成を目指す、私の公約でございますが、令和の公共インフラ・ニューディール政策を計画的かつ強力に進めていくこととしております。  具体的には、河川改修や土砂災害対策、橋梁などインフラの老朽化対策、骨格となる幹線道路や歩道の整備、港湾の機能強化など、県民の生命、財産を守り地方創生を支える社会資本の整備を推進してまいります。  このため、国の防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策の積極的な活用に努めており、全国知事会や県の重要要望などの場において、また、10月には国土交通大臣政務官に対して、5か年加速化対策完了後も含めて、必要な公共事業予算を安定的かつ継続的に別枠で確保されるよう働きかけてまいりました。  今後とも、国会や県議会の先生方と一致団結し、また、市町村や関係団体などともスクラムを組んで、あらゆる場を活用して国に強く働きかけてまいります。  また、単品スライド条項については、工事の資材価格の高騰が続く状況を踏まえ、契約後においても価格上昇が適切に反映されるよう10月にルールを見直しました。今週29日火曜日には、県内建設企業に対して説明会を実施したところであり、引き続き、手続を含めて運用方法の周知を図るなど丁寧に対応していきたいと考えております。  国でのルール変更が6月であり、それが本県では10月からのルール見直しというのはちょっと遅いのではないかという御指摘もあるのかと思いますが、実は、この国のルール変更に少し未整備の面があったと富山県では考えておりまして、そのあたりを調整し問題点を明らかにしていく中で、数か月がたったということでありました。  ちなみに、早くからすぐに取り組んだところは、いろいろと混乱も生じたということでございます。そういう意味では、若干スピード感は欠けたのかもしれませんが、混乱は起こさなかったという意味で、我々なりにきめ細かくやったつもりでございます。御理解をいただきたいと思います。  最後は、利賀ダム建設工事における地元建設企業の受注機会の拡大についての御質問にお答えします。  地元建設企業は、社会資本の整備はもとより、これから始まります除雪や災害対応の面からも、大きな役割を果たしていただいております。その受注機会が確保されて経営の健全化が図られることは、私どもも大変重要だと考えております。  国土交通省が運用している工事発注の基準では、ダム本体工事やトンネル工事など大規模で技術的難度が高い工事における入札参加者は、高い技術力を有する全国大手企業に限られております。一方で、比較的小規模な工事の入札には、県内企業も参加できることとなっています。  利賀ダム建設工事が本格化した令和2年度から本日までの契約状況を見ますと、合計契約件数は22本で、かつ合計金額は約100億円になっております。このうち、県内建設企業が受注したものは、工事用道路や護岸工事など、件数では22件の9割を示す20件になります。一方で、金額では3割の33億円となっております。  今後発注が予定されるダム本体工事については、先ほど申し上げたように大規模で技術的難度が高いことから、地元建設企業が入札に参加することはできないものの、地元建設企業も入札に参加できる付け替え市道工事なども予定されていると伺っております。  直轄事業における地元建設企業の受注機会確保につきましては、今年7月の北陸地方整備局長との懇談の場においても強く要望したところでございまして、利賀ダム建設工事においても地元建設企業の受注機会が確保されるよう、今後とも強く働きかけてまいります。  私からは以上です。 112 ◯議長(渡辺守人君)今井企業局長。    〔企業局長今井光雄君登壇〕 113 ◯企業局長(今井光雄君)水力発電所の民間活用についての御質問にお答えをいたします。  企業局では、平成29年度に機能診断調査を行いまして、建設から50年以上経過した水力発電所のうち優先して対策が必要な発電所を選定して、FIT制度を活用したリプレースを行うことといたしました。その際には、民間のノウハウを活用して、FIT認定やコスト縮減を図りながら再生可能エネルギーの安定供給を目指すこととしたところでございます。  このため、令和元年度に民間活力活用可能性調査を実施いたしまして、鳥取県が採用をされましたBTプラスコンセッション方式を含めた4つの民活手法を比較検討したところ、水力発電の運用経験にたけた技術職員が多く在籍する本県では、DB(デザインビルド)──設計施工一括方式が、FIT認定スケジュールに支障がないこと、また、市場調査によって民間の参入意欲を確認でき、競争環境面でもメリットがあること、さらに、発注から発電開始までの期間が短く収支面で最も優れることなどから、3つの発電所で採用したものでございます。  なお、今回のリプレースでは、民間事業者の提案によります最新技術を採用することによりまして、一般家庭にしますと、およそ5,200世帯分の消費電力を賄う年間約1万6,000メガワットアワーの電力量の増加となる見込みでございまして、再生可能エネルギーの拡大にもつながるものでございます。  今後は、このリプレースを着実に進めますとともに、残る発電所につきましても、今回の民間活力導入の経験や最新の技術動向などを十分踏まえながら、老朽化対策に取り組みまして、再生可能エネルギーの安定供給に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 114 ◯議長(渡辺守人君)以上で武田慎一君の質問は終了しました。  以上をもって本日の一般質問、質疑を終了いたします。  次にお諮りいたします。  議案調査のため、12月5日は休会といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 115 ◯議長(渡辺守人君)御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。  以上で本日の日程は終了いたしました。  次回の本会議は12月6日に再開し、各議員による県政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行いますとともに、議会運営委員会を開催いたします。  本日はこれをもって散会いたします。  午後4時01分散会 Copyright © Toyama Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...